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ヒトリゴト 毎週月曜更新

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ヒトリゴト Vol.5 マホウハセイフクニカケテ

ヒトリゴト Vol.5 マホウハセイフクニカケテ

制服って無敵だ。

どんなおしゃれよりカッコいいし、

私を1番魅力的には表現してくれる。

どんな場面でも着ていて恥ずかしく無いし、

堂々としていられる。

そう、
思ってたのにな。

制服が窮屈になって、

制服が似合わない場所に行きたくなる。

それが大人になるってことなのかな。

制服の無い学校だったら、

もしかしたらこの気持ちは感じずらいかも。

でも、毎日毎日制服に身を包んで、

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ヒトリゴト Vol.4 石少

ヒトリゴト Vol.4 石少

心はまるで砂みたい。

さらさら動いてて、留まることを知らないみたい。

いろんな形になって、でも掴みどころがないみたい。

自由なんだから、まったく。

素敵な音楽が流れてきたら、一緒にリズムを刻んで飛び跳ねる。

涙で濡れてしまったら、しっとりして風に乗って飛んでいけなくなる。

でも、またいつか乾いたら、さらさらの砂に戻るよ。

また、広い広い大空に向かって飛んで行こう。

さらさらした砂

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ヒトリゴト Vol.3 スカルプチャー

ヒトリゴト Vol.3 スカルプチャー

シャッ    シャッ

微かな音。

シャッ    シャッ

木の削れる音。

シャッ    シャッ

次々と生まれてくる木屑。

シャッ    シャッ

まるではなびらみたいだね。

シャッ    シャッ

刻まれていく。

シャッ    シャッ

私だけの

シャッ    シャッ

今までも、これから先も、

シャッ    シャッ

絶対に生まれてくることはない、

シャッ

大切な大切な

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ヒトリゴト Vol.2 赤の冬

ヒトリゴト Vol.2 赤の冬

彼女は思った。

もう、私は少女じゃない。

私の中を駆け巡る血はついに私のニットまで染め上げた。

血流は私を超え、もっともっと遠くまで流れていこうとする。

伸び伸びと。

ドクドクと。

でも、不思議だな。

どこか、血管は私を縛っているような気もする。

私からは離れられない。

私はここまでだって、檻のように。

大きなカバンを抱え、今日も私は歩いていく。

この冬はいつか明けるのかな。

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ヒトリゴト Vol.1 ヒトになる

ヒトリゴト Vol.1 ヒトになる

それは優しい。

それはありのままを認めてくれる。

それは過去の記憶のようでもあって、ずっとずっと未来の記憶のような気もする。

ーーーーー私は今どこにいるんだろう。

わからないよ。ーーーーー

ーーーーーああ、考えてみても終わりが見えない。

ああ、わからないなぁ。ーーーーー

ーーーーーでも、

何故だか不安はないのは確かなんだ。

優しい、優しい、

ただ、この淡い感覚だけが、私を包み込

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