ヒトリゴト Vol.1 ヒトになる
それは優しい。
それはありのままを認めてくれる。
それは過去の記憶のようでもあって、ずっとずっと未来の記憶のような気もする。
ーーーーー私は今どこにいるんだろう。
わからないよ。ーーーーー
ーーーーーああ、考えてみても終わりが見えない。
ああ、わからないなぁ。ーーーーー
ーーーーーでも、
何故だか不安はないのは確かなんだ。
優しい、優しい、
ただ、この淡い感覚だけが、私を包み込むんだ。ーーーーー
ーーーーー嗚呼、そうだ。ーーーーー
ーーーーーわたしはここにいたんだ。ーーーーー
ーーーーー大丈夫だ。ーーーーー
ーーーーー私はワタシであったんだ。ーーーーー
そう意気込む私を、優しい "それ" はまるでしたたる水をすくうように、
丁寧にこぼれ落ちないように、大事に扱ってくれる。
ちょっとだけ、身をよじってみる。
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