佐々木典士 Fumio Sasaki

次のテーマは料理、お金。 ミニマリスト本「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」は26カ国…

佐々木典士 Fumio Sasaki

次のテーマは料理、お金。 ミニマリスト本「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」は26カ国語に翻訳。 増補文庫版 http://amzn.to/3hSPHdT 習慣本「ぼくたちは習慣で、できている。」は12カ国語に翻訳。 増補文庫版 http://amzn.to/3odqO20

最近の記事

山口祐加『自分のために料理を作る』 〜自分を知る入り口〜

自分に聞いてみる。 「今日は何が食べたい?」 そんな前向きな元気もなかったら、こういう聞き方でもいいと山口さんは言う。 「何は食べたくない?」 自分のために料理を作るということ。 それは”心の中に『深夜食堂』の店主と『孤独のグルメ』の井之頭五郎を住まわせ”るようなこと。 客が本当に望んでいるものを、しれっと差し出す店主。 勘で選んだ店の料理を大いに楽しみつつ、自己との対話を深めていく客。 料理をすれば、その両方の役割ができる。作り終わった後も、フィードバックが始まる。

    • ChatGPTと禅ZEN

      誰かに任せればいいのに!曹洞宗の開祖、道元が著したもののひとつに『典座教訓』がある。典座(てんぞ)というのは、お寺で食事を用意する係の人のこと。 典座にまつわるエピソードが面白いので、2つ紹介したい。 道元が宋の港に到着し、上陸許可を待っていたときのこと。61歳の老僧が桑の実(一説には椎茸)を買いに来た。 道元にとっては、宋に来たばかり。初めての中国の僧との出会いで、興奮気味。お茶を差し上げたりして、仏法の話がしたくてたまらない。そして「ご馳走しますので、今日はここに泊

      • 山下洋平『ルポ ゲーム条例』 〜つべこべ言い、ガタガタ言う〜

        善悪は組み合わせ ぼくがとても大切にしている考え方がある。 スピノザの「善悪は組み合わせ」という概念だ。 子どもの頃はファミコンしかやっていた記憶がないが、今ぼくはゲームからは距離を置くようにした。ハマりやすい性格であるのと、時間に融通が効くフリーランスなので、面白いゲームがあると1日12時間とか平気でやってしまう。 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』なんて無茶苦茶やりたいが、手を出したら生活が崩壊するとわかっているので、手を出さない。ゲーム機があると買

        • 岡内大三『香川にモスクができるまで』 〜未来の懐かしいコミュニティ・デザイン〜

          長渕好きのインドネシア人本書の大筋はこうだ。 日本には18万3000人の在日ムスリムがいる。そして日本一小さな県、香川県にも800人のインドネシア系ムスリムからなるコミュニティがある。しかし香川県には大事な信仰の場である「モスク」がまだない。 本書の主人公のような存在、インドネシア人のフィカルさんは、流暢な讃岐弁を操り、船の溶接工をしている38歳(2019年時)。日本に来て15年以上が経ち、日本人と結婚し、3人の娘がいる。長渕剛、松山千春、演歌などを愛する、義理と人情の男

        山口祐加『自分のために料理を作る』 〜自分を知る入り口〜

          写真旅行記 台湾③ 〜旅行中にバズる〜 

          朝食を買うのもまだ慣れてない 台湾2日め。朝食を買いに。台湾には、昼までやっている朝食専門の店が結構ある。香川の昼だけやっているうどん屋みたいなものかも。 その場で食べている人もいるけど、ビニール袋にクレープや、サンドイッチ、豆乳を入れてテイクアウトする人が多い。朝食のテイクアウトが多いのはタイも同じだった。あまりの人だかりにまだまだビビって、出来合いのサンドイッチと豆乳だけ注文。ソイミルク、で通じる。 国立故宮博物院へ九份も行ったし、まずは観光を抑えておくか、という気分

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          写真旅行記 台湾③ 〜旅行中にバズる〜

          写真旅行記 台湾② 〜旅の思い出になるもの〜

          歴史ある問屋街、迪化街(ディーホアジェ)へ九份から台北へ戻る。帰りはバスで直行。予約なんてしなくてICカードをただかざして長距離バスにも乗れるのが嬉しい。約80分。 同行した友人たちは、台湾旅行の手練で、したいこと、食べたいこと、買うお土産など定番が決まっていて清々しい。これもひとつのミニマリズムかなと思う。2泊で帰ってしまうので、早々にお土産をゲットしにいくことに。 そして、迪化街(ディーホアジェ)へ。さまざまな食品や、工芸品などを扱っている問屋街のような街。友人たちの

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          写真旅行記 台湾② 〜旅の思い出になるもの〜

          写真旅行記 台湾① 〜脳細胞が喜ぶ〜

          パラレルワールド台湾 台湾は2018年に母親とトルコ旅行をする時に、トランジットで降り立ったことがある。小籠包、マンゴーかき氷、お茶のお土産などを買って、数時間だけれどとても楽しみ。 街並みや人に懐かしさと、レトロ感があり、タイムスリップしたというよりは、日本もこうありえたかもしれないというパラレルワールドだと感じたのをよく覚えている。かき氷を食べたときも、地元の人が「こっちに並ぶんだよ」みたいに教えてくれて、人が親切だったのも印象深い。 空港でまずは、デビットクレジット

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          写真旅行記 台湾① 〜脳細胞が喜ぶ〜

          『香山哲のプロジェクト発酵記』 〜準備による炸裂〜

          生粋の準備人 準備をすることが好きだ。 登山やキャンプ、旅の準備をすることは、本番とは別の、独特の楽しみがあると思う。 ぼくの好きな香山さんの『ビルドの説』にも、海外旅行へ行くときに踏む手順が紹介されている。準備好きは、他の人の準備の方法を眺めてもワクワクしてしまうのだ。 この『香山哲のプロジェクト発酵記』も、連載の準備の連載という形を取っている。思えば『水銀柱』も、香山さんが開催された個展の準備の様子を描いたものだった。生粋の準備人だ。(『ベルリンうわの空』もすべての

          『香山哲のプロジェクト発酵記』 〜準備による炸裂〜

          I love being a 外国人

          マスクと同調圧力旅先で外国人としていることが、たまらなく好きだ。 今ならマスクがわかりやすいかもしれない。 日本にいると、しなくてもいいシチュエーションでも、余計なことを言ってくる人もいるかもしれず、無用なトラブルに巻き込まれるのも嫌だし、そうなるぐらいならしておこうか、という判断になる。 そうして、一度始めたものがなかなかやめられない。 先日訪れたタイでは、バンコクなど都会ではマスクもしている人もいたが、島ではほぼ皆無で、マスクの存在を忘れた。セブンイレブンの店員さ

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          愛し方を押しつけない

          猫の愛で方論坂本美雨さんの子育て日記『ただ、一緒に生きている』を読んでいるとこんなことが書いてあった。坂本さんは超がつく猫好きで、「猫吸い」と呼ばれるような猫の愛で方をする。(本の中では丸く寝ている猫の真ん中に深く顔を埋める行為が「ぶぁふぉっ」と呼ばれている) 坂本さんの娘さんもまた猫が好きだけれども、坂本さんほど積極的にかまったり、撫でたりするわけではない。そして坂本さんは、娘は自分ほどは猫が好きではないのだなと感じてしまう。しかし、その時に、昔の恋人から「愛し方を押しつ

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