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オレの方が仕事できるのに、なんでアイツの方が給料高いんだよ

同僚の給料を知ってしまった僕

オレの方が仕事ができるのに、なんでアイツの方が給料高いんだよ。そう感じたことはないだろうか。僕はある。

多くの会社では、他人の給料が公開されることはない。僕の会社も同じで、他人の給料は分からない。だけど先日、偶然にも同僚の給料を知ってしまった。僕より高かった。

彼女が、僕よりも仕事ができる人であれば、何の疑問も湧かない。だが、素直に納得はできなかった。僕よりも給料が高かった彼女は、僕よりも1つ年下で、業界未経験だった。

ちなみに、社会人歴は彼女の方が1年長い。なぜなら、僕は院卒で新卒入社しているが、彼女は大卒で中途入社だからだ。それでも、業界経験は僕の方が長い。

実力主義の会社に入ったはずなのに…

僕の会社は、設立から9年のベンチャー企業である。批判覚悟で言葉を選ばずに言うが、理系の大学院まで出た僕が行く会社ではない。大学の同期は、トヨタだのNTTだの、有名企業に就職している。同期と比べると、僕の年収は100万円ほど低い。

周りからは、「給料も低くて、知名度もない会社に行くなんて変わってるな」と言われた。でも僕は、今の会社の実力主義なところに惹かれて入社を決めた。新卒だから意見が通らないとか、年功序列だとか、そういった窮屈さがないところが良かった。だからこそ、実力があるはずの僕の方が評価されていないことがショックだった。

僕よりも給料が高かった彼女は、何か特別なスキルを持っているのではないか。そんな想いを抱きながら、その人の仕事ぶりを観察するようになった。実力主義を掲げている会社を信じたいという思いもあった。しばらく観察したが、僕の方が仕事ができていた。少なくとも僕はそう感じた。

そんなモヤモヤを抱えたままでは、仕事に集中することができない。そう思い、「新卒よりも中途の方が給料が高くなりやすい理由」を探すことにした。

「大学院を出たからと言って、仕事ができるわけではない。」「妬んでるだけだろ。」という声も聞こえてくる。自覚していないだけで、本当は彼女の方が仕事ができるのかもしれない。いや、たぶんそうだ。

だが今は、僕の方が少しだけ彼女よりも仕事ができることにしておいて欲しい。「本当は僕の方が仕事ができる」という希望を抱きながら、「新卒よりも中途の方が給料が高くなりやすい理由」を探してみたい。

スキルだけでは年収は決まらない

それからしばらくの間、納得できる理由を探したが、見つからない。だんだんと考えるのも面倒になってきて、忘れかけていたある日、「なるほど。」と思う理由が一つ見つかった。それは、人材紹介事業の営業研修を受けているときのことだった。

講師をしてくれた社長は、こんなことを言った。「お客さんから”人材紹介は高い!”と言われたときの切り返しはこうだ。”中途採用は、人材だけを採用するのではない。求職者の前職のノウハウもまとめて採用できる。そう考えたら、安くないですか?”」

「なるほどな」と思った。

僕の方が仕事ができるのに、「中途採用の彼女」よりも「新卒の僕」の方が給料が低い理由。それは、彼女の前職のノウハウも一緒に採用していたからだった。

大事なのは、会社にどれだけの利益をもたらすか

これまでの僕は、「どれだけ優れたスキルがあるか」で給料が決まると思っていた。でもそれは違った。スキルがあっても、会社に貢献できていなければ評価はされない。

会社からの評価は、「会社にどれだけの利益をもたらすか」で決まるのである。

つまり、給料を上げるためには、会社の利益につながることをたくさんすればいいのだ。自分のスキル獲得は二の次で。とにかく会社に貢献すればいいんだ。年収を上げるためのロジックは分かった。

・・・

確かにその通りだが、心の片隅に納得できない自分もいる。

任される仕事の中には、自分のためにならない仕事もある。明らかに雑用のような仕事だ。そんな気持ちで仕事をしたらダメなことは分かっている。「仕事を舐めるな」と言われるかもしれない。

でも、スキルを身に付けないと貢献できないのではないか。そう考える自分もいる。会社に貢献する中でスキルを身に付けられればいいのだが、そんな都合のいい仕事ばかりではない。いや、正確には、任された仕事を雑用と感じてしまう、僕の未熟さが原因かもしれない。

「スキル獲得」か「会社への貢献」か。コロンブスの卵のような問題だ。同時にできればいいのだが。非常に悩ましい。また、考えてみたいと思う。



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