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経済の話

 お金の循環によって、みんなの暮らしが救われることを「経世済民(けいせいざいみん)」という。これが「経済」の語源。
 ところで、カスハラが話題になっているが、果たして「客は偉い」のだろうか。経済の原点をわかりやすく伝えるとこんなふうになるとおもう。

◆1 ぼくは白米屋さん、あなたはみそ汁屋さん。ぼくは毎日、白米だけを食べて過ごしている。あなたは毎日、みそ汁だけを食べて過ごしている。ぼくとあなたが偶然に出会ったら…。誰もが考えるのは1食ずつの交換。出会って以降、お互いの分を交換し合うようになったとさ。

◆2 隣の町で、納豆屋さんと魚屋さんが同じことをしていると聞き、ぼくたち二人で訪ねてみると大歓迎!僕たち4人の暮らしは豊かになり、お互いの仕事を感謝し合った。

◆3 月日が経ち、食べるものだけでなく、おうちを作る人、川を渡してくれる人、着る物を作る人などと交流が生まれ、お互いが必要なときに仕事(ものやサービス)を交換し合うようになっていた。

◆4 石屋さんという人が現れた。この人は誰もが物々交換を楽にできるよう、ものと交換できるピカピカの丸い石を作って、ものと石を〈両替〉するという。
 これはたちまち広まり、いつの間にか町の人はこの石を介して物々交換をするに至った。

 さて◆1 ではどちらが「偉い」のだろうか。どちらも五分の立場だということはすぐわかる。
 ◆2 と◆3 でも、仕事の種類が増えただけで誰かが偉いということは起きていない。
 ◆4 の石屋さんもこの延長にあり、石(現在の金)を払う行為はそれまでの物々交換を中継しているだけだから上下関係は発生していない。
 つまり、カスハラをする人の勘違いはこのあたりかとおもう。「こっちはカネ払ってる客だぞ」。でも、↑こんな簡単な物語を読むまでもない。金を払って仕事を買うのと、仕事を払って金を買うのと立場の違いでしかないことが、少し考えれば誰でもわかるとおもう。
 結局のところ、偉いのは誰かといったら、仕事が誠実な人であって、理不尽な態度で迫ってくる相手に、お金や仕事を払う必要なんてないわけだね。

 経済活動は仕事と仕事の交換。会社と従業員も同じこと。時間までいれば金をもらえるわけではない。受け取る金と、払うべき仕事(会社なら生産)を交換する責任がアルバイトにもあるはず。
 
 会社(お店)に対して、
「バイトでも有給って法律で義務になったんですよね。休みたいんスけど」。
 権利を使うのはいいけど会社との〈交換〉という責任も果たさなければ、有給どころか会社が潰れてしまうよね。

この千円札が好きだったなぁ

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