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病気のリスクを減らす最適な睡眠時間とは?

睡眠の時間は私たちの健康にどれほど影響するのか?


イントロダクション:


「良い睡眠は健康の基盤」とよく言われますが、実際に睡眠の質や長さが私たちの健康にどのような影響を与えるのでしょうか?毎日の生活の中で、睡眠時間を削ることは珍しくありません。忙しい日々の中で、睡眠を後回しにすることもあるでしょう。しかし、この「小さな習慣」が、思わぬ健康リスクを高めているかもしれません。

最近の研究によると、睡眠時間は単に「疲れを取るため」のものではなく、私たちの長期的な健康に深刻な影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。
具体的には、短い、または長すぎる睡眠が肥満、糖尿病、高血圧、心血管疾患などのリスクと関連しているというのです。

このnoteでは、アメリカ合衆国の成人を対象とした大規模研究を紹介し、睡眠時間と健康問題との間の興味深い関係について掘り下げます。
睡眠と健康の関連についての最新の研究成果を通じて、私たちの日々の生活における睡眠の役割を再評価し、より良い健康を目指すヒントになれば幸いです。

それでは、Short and long sleep are positively associated with obesity, diabetes, hypertension, and cardiovascular disease among adults in the United States.(アメリカ合衆国の成人における短いおよび長い睡眠と肥満、糖尿病、高血圧、心血管疾患の関連)から紹介します。

7時間未満の睡眠と8時間以上の睡眠は健康リスクとなる?

この研究では、2004年から2005年にかけての米国国民健康インタビュー調査でデータを取得した56,507人の成人を対象に分析を行いました。
研究では、健康に関連する多因子・多層的モデルを用い、以下の4つのカテゴリに分類された要因を考慮に入れました。

  1. 個人の社会経済的特徴(年齢、性別、民族、出生地、婚姻状況、教育水準、労働市場参加、健康保険の有無など)。

  2. 個人の行動(喫煙、アルコールの摂取、運動)。

  3. 個人の健康状態(心理的苦痛)。

  4. 家族および地域的背景。

以下が参加者の年齢のグラフです。

研究参加者の年齢分布
参考文献より筆者作図

研究結果

  • ほとんどの参加者(68.4%)が就業あり、または求職中でした。

  • 4分の1以上(28.6%)の参加者が夜間7時間未満の睡眠を報告、約10%未満が8時間以上の睡眠を報告しました。

  • 3.8%が重度の心理的苦痛を経験していると推定されました。

この研究のロジスティック回帰モデルは、肥満(75.7%)、糖尿病(92.7%)、高血圧(79.5%)、心血管疾患(87.6%)について、回答者を正確に分類することができました。
結果は、睡眠の長さがこれらの健康リスクと他の共変量よりも強く関連していることを示唆しており、7〜8時間の睡眠が慢性疾患のリスクを減少させる可能性があることを支持しています。

結果のグラフです。
適正な睡眠時間を7-8時間と設定し、7時間未満、または8時間以上の睡眠をしていた対象者では、肥満、糖尿病、高血圧、心疾患のリスクが高い結果となりました。

睡眠時間と健康リスクの関連」を示す折れ線グラフ
x軸は睡眠時間(7時間未満、7-8時間、8時間以上)、y軸はリスクの割合(%)。
肥満、糖尿病、高血圧、心血管疾患のリスクを表しています。
参考文献より筆者作図

この研究は、睡眠の長さと主要な健康リスクとの関連を示し、適切な睡眠が全体的な健康維持に重要であることを述べています。

また、注目すべき点は睡眠が短い場合はより病気のリスクが高いことです。今回の研究では、8時間以上の睡眠でも病気のリスクは上がることがわかりました。しかし、7時間未満の睡眠が不足した状態では、よりリスクが高いことも明らかになりました。平日の睡眠不足を休みに寝溜めして補うこともリスクが高い可能性もあるかもしれません。

まとめ

ストレスが多く、仕事で忙しい状況でも睡眠時間の確保が最も重要であること考えられます。
健康的な生活のためには、質の高い睡眠を確保することが不可欠です。睡眠を大切にし、日々の生活に積極的に取り入れていきましょう。

このnoteを通じて、みなさんの睡眠や生活がよりよくなることを願っています。最後までお読みいただきありがとうございました。

📗参考文献
Buxton OM, Marcelli E. Short and long sleep are positively associated with obesity, diabetes, hypertension, and cardiovascular disease among adults in the United States. Soc Sci Med. 2010 Sep;71(5):1027-36.


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