どうしようもなく 今を生きてる( #pixivmeetup 2023参加レポ)
PIXIV MEETUP参加させていただきました!!!
メモ書き程度ですが各セッションの感想などを述べます!
内容が不正確な部分などあるかもしれません!正確な情報が欲しい方はリンクしているピクシブさん公式の記事やスライドを参照ください!
記事が大変遅くなってすみません!!!!!(開催は9/29でなんと1ヶ月以上も前!)
つい最近ピクシブさん公式でスライドやレポート記事などが公開されたので、それと合わせて見て頂けると良いかと思います!
かんたんな著者プロフィール
みーにといいます!
noteと比較してどうか…といった感想を述べる場合があります!
当日の動き
上記画像のように移動してセッションを聴きました!
以下はこの順番通りに各セッションの感想などを述べます!
オープニングトーク
PIXIV MEETUP開催日に発表された新しいMVVについてお話がありました!
これについては以下記事に詳しく内容があるので参照頂けるとよさそうです!
記事にもありますが、ピクシブさんは様々な角度から創作活動を支援するサービスを多数展開しています!(イラストだけではない!)そのことをよく捉えて表現したMVVだと感じます!
「様々な角度から創作活動を支援する」「発展させる」ベクトルで、ピクシブさん運営のサービス群を街に例えて画像で説明している場面がありました!
この「街」の表現はnoteでもよく出てくるものなのでやや親近感を覚えています!
ピクシブのデータインフラと組織構造(15:30〜16:00)
16個プロダクトがあるなかでの共通データインフラの運用…考えるだけでも大変そうです!
プロダクトが1つ(note)でもデータインフラの運用には気を使うことが多いと感じるので、16個もプロダクトがあればここには書かれていない苦労がたくさんあるものと想像します!
データの利活用は各プロダクトのチーム(ドメインチーム)に移譲してしまって、データ基盤チームはデータインフラの整備を中心に対応しているという話題でした!
「データ分析チーム」的なチームが分析を取りまとめて対応する体制では、「データ分析チーム」に作業負荷が集中してボトルネックになりがちということでした!これを割けるために上記の体制を取られているそうでした!
データ利活用にはある程度専門知識や工数が必要で、ドメインチームにそれらが十分備わっているとは限りません。そのサポートのためにデータエンジニア互助会などを置いているということでした!
特にデータエンジニア互助会については、それが成立できるための組織構造や評価システムについては気になっていたり…(全員が他に開発タスクを持っている中でデータ分析系の環境整備・啓蒙に時間を割いてもらうのは難しい場合がありそうと感じます)
ゼロから始める 海外進出(16:00〜16:30)
「海外進出」というとさまざまな課題が考えられますが、このセッションでは「海外向けのプロダクトデザインを考える」という感じの内容でした!
結論としてはプロダクトデザインにおいて「海外向けの特殊な方法」というものはない!という感じだそうです!
ユーザーインタビューによる課題の発見やサービスデザインの考え方といった、日本でも通用するようなやり方を地道にやっていけばよさそう…という感じでした!
優先して対応した方が良いのは海外の文化に詳しいリサーチパートナーの確保だそうです!
私個人としては海外進出というと法務面でもいろいろ課題があるのかな~と常々思っています!(わかりやすいところだとGDPRとか…)そのあたりにのお話も機会があれば聞いてみたいなと思います!
LT①(16:30~17:00)
pixivコミックで作品が公開されるってどういうこと?
pixivコミックはRails製だそうでした!
ある程度長く運用しているプロダクトだと要件が増えていくにしたがってテーブルが増えていくのですが、pixivコミックも例外ではない!というお話でした!
すでにテーブル構成が複雑になってしまっていて、一定の条件を満たす記事の抽出(ここでは、漫画の期間限定無料公開キャンペーン)のSQLが大変なことになっているという話でした!
対策としてはバッチ処理で事前に計算したテーブルを作っておくなどしているということでした!
pixivisionを動かし続けるために
イチ押しのLTです!!!
内容としては、歴史の長いプロダクトであるpixivisionの運用を継続するために機能の整理やリファクタリング、ドキュメントの整備をとても頑張っている!という話題でした!
pixivision自体は知っていましたが(イラストを描く際参考画像を探しているとよく検索に引っかかる)、2016年からあるプロダクトであるとは知りませんでした!思ったより歴史が長かった…
古くからあるプロダクトや作品に敬意を払い、試行錯誤しながら運用を継続していく態度に魅力を感じます!
はるか昔の入社エントリにも書いたように、自分としてはインターネットにあるものをできるだけ長く守るということをやりたいです!また既存のプロダクトの運用において地味な作業をちゃんとやるということにもやりがいを感じます!
上記のような私の志向と内容が噛み合うLTで非常に楽しく聞かせて頂きました!応援しています!!
5分で分かる!ピクシブ百科事典 〜クイズもあるよ〜
みなさんご存知ピクシブ百科事典(正式名称)に関してのお話でした!
ピクシブ百科事典も長い間利用させて頂いていますが、ここで初めて知った事実が多く興味深かったです!
ピクシブ百科事典は広告収入がかなり見込めているそうです!
専属チームが最近できたらしいです!(逆に今まで専属チームがない状態で運用できていたのがすごい!)
専属チームのもとでフロントエンドの刷新プロジェクトが動いているそうです!
課題としては記事の編集者の新規獲得があまりできていないそうでした!(記事の編集をするユーザーがある程度固定されてしまっている状況があるそうでした!)
見ている側としてはすでに完成されたプロダクトのように思えますが、ピクシブ百科事典はまだまだ伸びしろがあるサービスということでした!応援しています!!
LT②(17:00~17:30)
ピクシブ、ベニヤサーバやめるってよ
ベニヤサーバー!それが何であるか説明はなかったのですが、おそらくベニヤ(板の上に乗ってる)サーバーのことかなと思っています…!
昔はオンプレのみで開発・運用していたpixivですが、近年はパブリッククラウドやクラウドサービスを適所で活用されている様子でした!
後のセッションでも出てきますが、完全にクラウドシフトするのではなくあくまで使い分けという温度感だそうです!
私個人としてはクラウド移行急進派閥なのですが、ある程度お話を聞いてみてオンプレの選択的利用に納得できる部分も多々あり自分を見つめ直す機会になりました!
CDNを使うと海外向けの配信速度が速くなる!とかWAFを使うとbotのアクセスを遮断できて便利!などSREとしては共感できる話題が多かったです!CloudFlareさんやAWS WAFにはいつもお世話になっています!
海外を含む外からのWebサイトのパフォーマンスの調査はWebpage testでできるということでした!
限界ORM!BOOTHとギフトとライブラリ
「pixivコミックで作品が公開されるってどういうこと?」のLTと通底する内容かなと感じました!
BOOTHには去年ギフト機能が追加されたのですが、ギフト機能によって購入者=所有者の前提が崩れた結果実装が大変になったりORMが限界化することがあったという話でした!
ORMが限界化:「普通のORM使用では実装が難しかったり可読性を損なう状況」かなと思います!
特にライブラリページの実装に影響があった様子でした!ギフト機能がなければ「購入した作品一覧」を表示すればいいのですが、ギフトがあると「所有している作品」=「購入した作品」+「ギフトで入手した作品」を表示する必要があり後付の要件が発生してしまっています!
最後のスライドに小さくありますが、テストが十分なら生SQLでもいいのでは…という意見は個人的には賛成です…!(昔は生SQLを頻繁に書く環境にいたため、生SQLを書いたほうがわかりやすいと思ってしまう…)
プロダクトと広告部署を繋ぐ「広告なんでもチーム」の結成と挑戦
そもそも画面レイアウトを変えると広告に影響があるというのが新しい知見でした!今後広告収益モデルのプロダクトの開発に携わることがあれば必要になる視点だと感じます!
部署横断的なトピックに対してどこで誰に相談したら良いかわからない問題には非常に共感を覚えます!
SRE的にはバッチ処理やデータ利活用、インフラ関連、すでに担当者がいなくなったコード…などがどこで相談したら良いかわからなくなりがちと感じます!(これは完全に私の話…)
こういうとき専用のチームを設置するというアプローチができるのは単純ですが柔軟で良いと感じます!現場の課題をフィードバックして組織構造を柔軟に変えることは会社によっては難しい場合がありそうです!
ピクシブの機械学習基盤
pixiv insideを機械学習タグで検索するとpixivの機械学習基盤についての話題は多くの情報を得られるとのことでした!
機械学習基盤についてはGCP環境をメインに作っている様子でした!
GKEを中心にBigQueryやdigdagなどを連携させて使っているそうです!
noteのデータ分析環境にも近い印象で理解はしやすかったです!
notebook開発ではVertex AI workbenchを利用しているそうです!(Vertex AI workbenchは初耳の製品でした!Sagemaker notebook的なイメージでしょうか?)
オンプレ環境では機械学習のために自由に操作できるサーバーが見当たらないなどの課題があり、オンデマンドに計算リソースを生やせるパブリッククラウドの方が使いやすそうでした!
GKEの採用理由としてポータビリティを挙げられている点が印象的でした!
ポータビリティ: Kubernetes自体はオンプレでもAWSでも使えるので、その気になればどこにでも環境を移行できる
今自分がEKSを利用している理由としても説明できる内容だと感じ、自分の中では納得感がありました!
例示されたkustomizeのyamlなども私としてはすでに見慣れた形式であり違和感なく入っていけそうな感じがします!
pixiv Cloud Journey
パブリッククラウド環境があまり運用されていなかった時代から、現在のオンプレ/クラウドハイブリッド環境と将来の展望までについてお話がありました!
AWSアカウントとGCPプロジェクトの合計数が100overという点がすごいです!私も複数アカウント運用は行っているもののここまでの規模ではなく、見習いたいと感じます!
カジュアルにアカウントを増やすためには基礎的なアカウントの初期設定について十分把握して自動化しておく必要がありそうです!(予算アラートだけでなくIAMやネットワーク設定などを含めて…)このあたりの運用例についてはもう少し調べてみたいです!
オンプレとクラウドの使い分けについてもあとから質問させていただきました!
ピクシブさんの場合はすでにデータセンターを持っているので、既存のデータセンターのリソースをうまく使える場合はオンプレに乗せた方が安い場合もあるそうでした!
例として、Sentryのようなログデータの送信を伴うサービスはSelf-hosted版にしておかないとコストが高くなってしまう様子でした!(SaaS版を使うとSaaSに大容量のデータを送らなければいけないが、Self-hosted版なら自前のサーバーにデータを置いたままで使える)
「オンプレに乗せた方が安い」という視点は見落としていました!すでにデータセンターを持っている会社であれば、そのリソースをうまく活用することでコストを最適化できるというのは学びでした!
Keynote
Keynoteのおおまかな内容については上記記事群で説明されています!
上記の他にも「海外展開」「3Dモデル」の2分野について枠が取られていたと思います!追加で記事が上がるかもしれないので要確認です:eyes:
特に以下2点について印象に残りました!
マンガジャンルについて、無償で投稿できるpixiv、作家の発掘環境となるpixivコミックインディーズ、実質商業の環境となるpixivコミックやPalcyの3つを相互に作用させるカスタマージャーニーを描いている様子でした!
この話題についてはエンジニアではなく音楽クリエイターの目線から聞いていました!
音楽の場合一般の人(私)でも音楽配信サービスや収益化した動画配信サイトに作品をアップロードでき、見方によってはその時点で「商業作品」を発表できる点で違いがあるなと思い興味深かったです!(活動スタイルにもよるが、必ずしも「発掘」してもらう必要はない)
海外展開の話題について、現在のpixivの新規登録ユーザーは7割が海外からということでした!これは現在のpixivの海外の普及度を大きく示す数字で単純に圧倒されました!
他にも3Dキャラクターと対話できる「ChatRoid」のデモがあり、これが非常にうまくできていて楽しめました!今後の製品化など期待できる内容で注目です!
PIXIV MEETUP MUSIC MIXIN(懇親会&DJイベント)
ここまでエンジニアとしてお話を聞いてきましたが、DJイベントではただの音楽のオタクとして楽しませていただきました!!!ありがとうございました!!!
特にkiridarumaさんの選曲が非常に良かった…Virtual to LIVEを締めに使われると、Music Unityの数年間の文脈に襲われて泣いてしまいます(その意図で選曲されたかどうかはわかりませんが…)
おわりです!
という感じで非常に楽しませていただきました!!
ピクシブさんのmeetupは2021年にDiscordで行われたPIXIV DEV MEETUPの頃からずっと参加したいと思っていましたが、機会や人脈に恵まれず…といった状況でした!今回参加できて非常に嬉しかった&楽しかったです!機会をいただき本当にありがとうございました!!
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