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進むべきみちは

 

電車で咳をしている人がひとり。離れた場所からも聞こえる。
遠巻きに見ると、その人が座ってるところから人が少しづつ離れていく。このご時世だからねと思いながらもみんな気にするよなと思ってた。

電車を降りて、ホームからその人の座っていたあたりをちらっと見ると、マスクをつけてない。そりゃみんな離れるよ!と心でツッコミを入れすぐに赤いキーホルダーに気がついた。

あ、ヘルプマーク。

確かに視線とかもすこし不思議な感じ。何も言わず、怒りもせすサッと立ち去る人たちの気持ちがわかった気がする。
大人の対応。



電車を降りたとき、実はもうひとり僕と一緒に降りた人がいた。おそらく車両を変更したかったのだと思う。ホームに降りて、窓の外から車内に携帯を向けていた。
何してるんだろ?と横目で見ると

写真を撮っていた。


え?どうして?


その写真、どうするの?喉まででかかってまたお腹に戻った。


ほんの一瞬、躊躇っているあいだに
電車は出発して、写真を撮ってたひとは違う車両に乗り込んでいた。


情けない。

気づいたのは僕だけ。
言葉をかけられるとしたらあの一瞬であった

僕たちには知らないことがたくさんある。
世界の仕組み、事情。


知らないと何でもできてしまう。


物事の本質は、表面に現れることが少ない。
深く考えてみないとわからないことが多い。



自分には関係ないから
他人だから



受け身のままでは世界が変わらない
変わらないままでいいなんていうのは
どうなのか。


ゲイの世界もそうだ。
彼は産まれてからずっと東京に住んでる

「いい時代になったよ、ゲイが住みやすくなった」と

何もしないで、ここまで来たのか。
それは違うと思う。

色んな人が傷ついて、声を上げて
笑って泣いて。今がある

言葉では言えないくらい色々あったと思う。そんなあなたたちのおかげで今日がある。


そっとしておいて欲しいという人もいる。
僕たちが幸せならそれでいいのか。

僕には基準がある。
担任をしていた子どもたちが幸せになれるかどうかである。


ヘルプマークをつけた子どもが写真を取られていいのか。大きくなった子どもたちがマイノリティだったとき、世界は寛容に受けれてくれるのか。



やるべきことは決まってる。
自分にできる範囲で、何かを少しでも変えなければいけない。



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