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JKに囲まれた座席

美容院帰りに電車に乗っていた。
平日のお昼、下りの電車。
あまり人が乗っていないだろうと思っていたが、そうでもなく…。

私は4人席に座っていた。
1時間近くの間、いろんな人が乗り降りする。
途中この4人席に、私と女子高生3人が座った。
この3人はお友達のご様子。
そして大きなリュックが3つ。毎日すごい量を背負って通ってるんだな。
窓側に座った私はJKたちに囲まれてしまった。
電車内にホームもないけど、アウェーな気分だ。

聞こえてくる会話。
どうやらJKたちはアルバイトをしているらしい。
「“いらっしゃいませ〜”って地声で言わんくない?」
「うーん。そうかな。“いらっしゃいませ〜”。確かにそうかもしれない!」
そこからJK3人の“いらっしゃいませ〜”合唱が聞こえてくる。

ここだけで笑いを堪えるのに必死だ。
どうして私は美容院でマスクを忘れてきたのだ。
コロナ3年間のせいで笑いの堪え方を思い出せない。

「店長だって、“いらっしゃいませ”っていつもと違うもん!」
店長がどなたか存じ上げないが、おそらくモノマネをしたのだろう。少しカッコつけた“いらっしゃいませ”だった。
JK3人は爆笑し始めた。
なんでこの子らおもろいの…。
堪らえろ、堪えるんだ、ミンチョン…!

ふと自分自身を振り返る。
私もとあるお店の店長だ。
自分の“いらっしゃいませ〜”を思い出してみた。
少し声のトーンを高くした、いわゆる柳原可奈子がネタでするような、“いらっしゃいませ〜どうぞぉ~”を思い出した。

いや、待てよ…。
いろいろ想像を巡らせる。
うちのお店もJKではないが、アルバイトさんがいる。短大・大学卒業したばかりの子が研修に来ることもある。
もしこのJKたちみたいに、「うちの店長ってさ〜、“いらっしゃいませ〜”がかわいこぶってんだよね~」なんて言ってたら………!
それだけでなく、仕事ぶりとかウラ話とかを友達とか家族に面白おかしく話してるんだろうか…。
急に恥ずかしくなってきた。

こうやってnoteに書いている自分だっているんだから充分にあり得る話なのに、なぜ自分はないだろうと思うのだろうか。
JKたちが降車するまで、普段の行動もっとしっかりしようと考えたミンチョンだった。
たぶん1週間したら忘れているし、面白おかしく話してても普通に許すと思う。

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