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旬杯、大詰めだ〜!

旬杯、明日で終わりだって!!
まだ投句していない人いないですか〜?
今のうちですよー!

私どうしてもやりたいことがあり、川柳か俳句かわからないけど、1句詠ませていただき、ショートショートを書かせていただきます。

オリジナル 精霊馬で 初盆待つ


実家に帰ってくるなり、お父さんのみかんで精霊馬(しょうりょううま)を作り始めて、どうしたのよ。
お母さんの質問には適当に答えておいた。
「え……ば、映えるかな…って。」

帰って真っ先にやることかね。と母は笑いながら、お昼ごはんの準備をしている。
実家は母が料理・掃除・洗濯してくれるから、何もしなくて済む。だからこそこれをしなきゃ。

あの大雪の日の雪だるまは、おじいちゃんだったんだ。あんな能力があるんだな。今回は初盆。おじいちゃんに戻ってきてほしい。
普段は宗教なんて気にしないのに、今回は力を入れてみる。

寝たきりだったおじいちゃんの姿を見たくなくて、地元から離れた企業に就職した。
おじいちゃんのおかげで楽しかったこと、助かったこといっぱいあったのに、ありがとうを言ってなかった。

お父さんとケンカして家出をしたときのことを思い出した。夏休みに1週間、中学生の反抗期真っ只中ってやつだ。
おじいちゃんは、すぐに家に入れて、何も聞かずに迎え入れてくれた。

おばあちゃんは精霊馬を作っていて、「一緒に作る?」と誘ってくれた。
私は、「なんでナスとキュウリなの?」と聞いていた。
おばあちゃんは、「なんでだろう……。夏野菜ならなんでもいいのかもしれないね。」と栽培していたミニトマトも持ってきた。赤が入るとかわいくなった。

おじいちゃんが、『うーん。お盆が冬だったら、
みかんとかもあったのかな。ああ、自分が作ったみかんだって、帰ってくる時にわかりやすいのに…。』
と冗談で言った。
私は、「何十年後の話ししてるのよ!おじいちゃんピンピンしてるじゃん、この間スピード違反で切符切られたんでしょ。」と返答したな。

おじいちゃんが亡くなったという話を聞いた後、
みかんを冷凍庫に入れて保管していた。
半年保管は難しく、ちょっと腐っちゃったけど、
これでないと!!
おじいちゃんは覚えていないかもだけど、このみかんを目印に戻ってきてくれたら……。
ありがとう一言だけ言えたら……。

お父さんと仲直りした日。
おじいちゃんがお父さんに私を迎えに来るように言っていたらしい。
どうやらおじいちゃんとおばあちゃんは、私がお父さんとケンカしたことに気づいていたようだ。

「悪かった……ごめんな。」
そういうお父さんに対して、素直になれない私。
「ふ……ふん!!」

おじいちゃんはすかさず言った。
『大の大人が素直に謝ってるんだよ。ここで素直に許さないと、許す機会を失っちゃうよ。』
私は「うん、わかった。許すよ。」としぶしぶ言った。

「お父さんとの仲直りの機会を作ってくれて、
ありがとう」私はそうおじいちゃんに言った。
『大丈夫、おじいちゃんはいつまでもあなたの味方だよ。お父さんのことを素直に許すのも、ありがとうってずっと言いたがっていたのも知ってたよ。』
「え?」

気がつくと私は、眠っていたようだ。
いつから寝ていたんだろう??
中学時代のことを思い出す。
あれ?私は、あの日おじいちゃんにありがとうって言ったっけ??
あの日から私は、ありがとうと言ってなかったんだ。

夢でおじいちゃんに会えて、ありがとうって言えたということなのかな。
もっとしっかりとありがとうと言いたかったな。

玄関でみかんとナス・キュウリ・ミニトマトの精霊馬が仲良く並んでいた。

おしまいです。

ごめんねも、ありがとうも、言えるときに言わないとですね。
白熊杯のショートショート書いたあと、お盆もやってみたいなとずっと思ってました!
いやー半年越しの野望、叶った!

ちなみにスピード違反で切符切られたおじいちゃんエピソードは私の祖父だったり……。

皆さんもやってみようと思っていること、やってみましょ!

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