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【世界遺産検定マイスターへの道 #7】世界遺産基金が抱える課題【13/107】

はじめに

マイスター試験対策の続きをやっていきます。

問1対策でキーワードまとめを実施中です。
今回は以下のキーワードをまとめていこうと思います。

問. 次の語句を簡潔に説明しなさい。(解答は本記事の最後に記載)

・世界遺産基金
++緊急援助
++準備援助
++保全・管理援助

※最終的には以前のnoteで列挙したキーワードすべてをまとめた表を作成する予定です。

●世界遺産基金

正式名称「顕著な普遍的価値を有する世界の文化遺産及び自然遺産の保護のための基金」といいます。

▼▼何につかうの?

世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用することができます。

多くの場合、以下のような活動に充てられます。

途上国の登録推薦書作成
保護管理計画書の作成
専門家の調査
自然災害や紛争からの復興

▼▼資金不足が課題

現在、世界遺産基金は資金が大きく不足しています。

背景にあるのは「パレスチナがユネスコ加盟国になったこと」です。

上記を受けて、アメリカが2018年末にユネスコを脱退してしまいました。
アメリカは最大の分担金拠出国でしたので、かなりの痛手です。

参考までに、2018年と2019年の予算総額は約1300億円だそうです。
アメリカは全体の22%の分担金を支払っていました。

世界遺産基金の運用の基準として、次の3つが挙げられます。
前述のとおり、世界遺産基金は資金不足に悩まされているため、予算の振り分け方にも課題があります。

緊急援助
大規模な災害や事故、紛争などで被害を受けた遺産の復興費用

②準備援助
事前調査への準備援助

③保全・管理援助

専門家や技術者の派遣や機材の購入費用
遺産の保護・保全に従事する管理者や専門家の育成費用
遺産の価値や理念の教育・広報費用、国際協力促進費用

予算の振り分け方に課題があると申し上げました。

課題解決とは重要度と緊急度の高いものからおこなっていくのが合理的だと思っています。緊急援助に割り当てられるのが筋なように思いますよね。

しかし、実際の運用は準備援助>緊急援助となっているのです。


これは、世界遺産の数が増えたことが根本原因であると考えます。

遺産の保全状況、危機遺産になってしまった遺産の状況確認等に追われていては、ただでさえ資金不足であるのに緊急援助に資金を回せなさそうですよね。

●世界遺産基金(基本情報)

先に目的や課題についてご紹介してしまいましたが、最後に世界遺産基金の基本情報を記載しようと思います。

世界遺産基金は、ユネスコの財政規則に基づき1976年に設立された信託基金。
世界遺産条約締約国のユネスコ分担金の1%を超えない額(実際には1%を適用)の拠出金と任意の拠出金のほか、締約国以外の国や政府間機関、個人からの拠出金や贈与・遺贈を財源としている。
締約国は2年に1度、拠出金を支払わなければならず、この拠出金の支払いが延滞している締約国は、世界遺産委員会の委員国に選出される資格がないのと同時に、緊急援助以外の国際的援助も受けることができない。

ざっくりまとめると
・世界遺産条約国やそれ以外の国からの拠出金などを財源とするよ。
締約国は2年に1度、拠出金の支払いをお願いしますね。
・支払わなければ委員国にも選出しないし、援助も緊急時以外はしないよ。

というところでしょうか。

さいごに

問. 次の語句を簡潔に説明しなさい。

・世界遺産基金
世界遺産条約締約国の拠出金などを財源としている信託基金。
緊急援助や準備援助等、世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用できる。

++緊急援助
大規模な災害や事故、紛争などで被害を受けた遺産の復興費用に充てること。

++準備援助
リアクティブモニタリングのような、遺産の事前調査への準備援助に充てること。

++保全・管理援助
技術者の育成、教育、広報などに充てること

ここまで読んでくださりありがとうございました。

今回は世界遺産基金とそれが抱える課題についてまとめてみました。

今回はここまでです!

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