見出し画像

クメール正月に三連勤して見えたもの。賑わいとその端にある崖と。


4/14〜16はカンボジアの伝統的なお正月でした。
病院で働いている私は、所用が重なりお正月は全て出勤していました。

初めて見たクメール正月。
玄関先に色とりどりのお供物が置かれ、
道ゆくバイクや車に沿道から水をかけまくる。

軽トラの、荷台が人乗る用にもっと長い番みたいな車に水鉄砲を構えた若者たちがかけて行く。

一日中、昼も夜も爆音の音楽が流れていたり、
行きつけのカフェのおばちゃんがカレーを作ってくれたり。

一年に一度の賑わいを、働いてる病院の敷地内からも感じる3日間でした。

3日目の昼間、買い出しのために街歩きしていると、普段から交通ルールの「こ」の字も感じない国道にお巡りさんが立って交通整理をしていた。

ここに来てまだ2週間ほどしか経ってないけれど、珍しくて、カンボジアのお巡りさんって交通整理するんだ!と失礼ながらびっくりする光景だった。
とにかく道が混雑していたんだと思う。
いつも混んでるから見た感じ「いつも」との違いがわからないが。

その「違い」に気づいたのは、オフィスに戻ってから。
仕事をする中で耳に入ってくる情報。

「急患」
「交通事故」

運ばれてきた患者を看取った医師の悔しさと苦しさに歪んだ表情。
「なんでこどもがノーヘルなんだ」

あれだけの道路の混雑で、お祝いの日に浮かれた街中で、事故があってもおかしくないよな。
ここではノーヘルも飲酒運転もよくある話だ。

そしてここは病院でなんだよな。
自分が病院で働いているという自覚が、お正月の賑わいに浮き立っていた心を急速に冷やしていく。

目を瞑る。
深呼吸する。

ここで巡り合う喜びも悲しみも織り混ざった現実に、激しく揺さぶられる感情。その向き合い方はまだ模索してる。
きっと時間をかけて、向き合っていく。

仕事を終えてパソコンを閉じた。
すると同期から連絡が入った。
「お正月だからパーティーやってるみたいだよ!」

何はともあれ、クメール正月は総括して楽しかったです。

シェア生活を発信することで、寂しさを抱えている人々へ一つのヒントを渡せたらとの思いで執筆しております。この社会の片隅を、一緒にちょっとだけ明るくしていただける方はぜひサポートをお願いします。