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ひとりで過ごした誕生日の日記。【2022】

誕生日を迎えました。
いつもだったら夫が何かしらのイベントをセッティングしてくれるのですが、今年は、「何もイベントをしなくていい」と、私のほうから断りを入れました。

今まで、美味しいものを食べたり、旅行に行ったり、ディズニーランドやコンサートに行ったり、たくさん楽しい誕生日を演出してきてくれたので夫には感謝しています。

でも、コロナ禍となり、夫婦ふたりとも在宅ワークになり、24時間365日一緒に過ごすことになると、どうしても「一人だけの時間がほしい」と願うようになってしまいました。

なので、今年の誕生日は、「朝から一日、ひとりで過ごしたい」と夫に言ってみました。
夫は、「誕生日なのにオレ、いらないの?」と言って、ちょっと悲しそうだったので、「ごめん」と思ったのですが、プレゼントとして「一日家事から開放される」という形が欲しいと言うと、理解してくれました。

このような経緯で体験した「ひとりで過ごす誕生日」ですが、これが思いのほか楽しくて幸せな一日だったので、何があったのか皆さんにシェアしたいと思います。

何かあったようで何もなかった、ひとりで過ごした誕生日の一日のおはなしです。

誕生日当日。
平日なので夫は在宅で仕事です。
私は、朝起きてコーヒーを入れ、朝食を作り、洗濯をして干し、和室に掃除機をかける。
という朝の家事から始まるルーティンを、今日は一切やらなくてOKなのです。
だいたい朝の9時くらいまでには終わる家事ですが、これを「やらなくていい」というだけで、かなり開放的な気分になりました。

「さあ、今日は何をしようかな」と考えながら、ひとりで過ごす誕生日のプランを立てます。

【今日やりたいこと】
①美容院に行く
②ずっと行きたいと思っていた老舗の喫茶店「さぼうる」にいく。
③誕生日ランチをひとりで食べる。
④気のむくままに行動する。

最低この4つはやってみようと決めました。

まずは①美容院へ行く ですが、いつも通っている美容院は3週間先まで予約がうまっている人気店なので、当日の予約などできません。
なので新規の店に行くことにしました。
といっても、もはや朝の9時なので「どこがいいか」と悠長に調べている時間がもったいない。
そこで、最近できたばかりの近隣の施設にある【クイックカット】の美容院に試しに言ってみることにしました。
これは、かなりの冒険です。
そこは1500円で髪をカットしてくれるのですが、10分くらいで終わってしまうので技術力に不安が残ります。
でも、後ろを3センチカットしてもらうだけだから、「大丈夫だろう」という希望を持って先月オープンしたばかりのクイックカットの店に入ってみました。
結論から言うと、カットは可もなく不可もなくという感じで、まぁたしかに「3センチ切ってもらった」という出来栄えです。
でも、今日はそれで良かったので満足でした。
なにしろ毎月美容院には1万円以上支払っているので、1500円という驚異の安さに驚き、「これはこれでアリかも」と、当然だと思っていた1万円超えの美容院代のパラダイムシフトを体験しました。
なかなかの冒険的な体験でした。

美容院を出て、先月オープンしたばかりの施設を歩きながら、店を物色。
ちょうど「ほしい」と思っていたエプロンを販売している店があったので、購入したりしてショッピングを楽しんでいたのですが、朝ごはんをたべてないことを思い出し、急にお腹が減ってきました。
時間もすでにお昼を過ぎています。
ただ、ここで妥協して、施設内のチェーン店に入るよりは、少しでも「誕生日ランチ」っぽい店で食事をしたいなと思ったので、グウグウとなる自分のお腹の訴えを却下し、電車に乗り神保町へ。

なぜ神保町に向かったかというと、②のずっと行きたかった老舗の喫茶店「さぼうる」があるからです。
「さぼうる」でランチしてもいいのですが、神保町で以前から目をつけていたテラス席のあるおしゃれな店があるので、そこでランチをしてから、食後のコーヒーとデザートを「さぼうる」でいただくことにしました。

時間はすでに2時になっていました。
ランチタイムの受付ギリギリで、神保町の「グッドモーニングカフェ」に入店。「牛すじのボロネーゼ」と「ちょこっとワインの赤」を注文。
正直味はそこまで期待していなかったのですが、300円のお得なワインも飲みやすくて美味しかったし、パスタが期待以上の味で、今まで食べたボロネーゼの中でもかなり上位の味だったので嬉しい驚きです。

テラスではなく店内にしたのですが、満席で、みなさん楽しそうにおしゃべりしていました。
わたしもひとり誕生日ランチを1時間かけてゆっくり味わい、外に出るとテラス席で読書をしている御婦人がいて、緩やかな時間を過ごされているのを拝見し、「わたしも次回はテラス席にしてみよう」と思い、デザート&コーヒーを食しに「さぼうる」へ向かいました。

いつも行列している店ですが、きょうは行列がなく「やった!」と思ったのですが、店員さんに「ひとりです」と告げると、「満席なのでお席があくまで外でお待ちください」といわれました。
でも、待ちの一番前なので、少し安心しつつ、外でまつこと5分くらい。
カップルが店から出てきたので、「入れそう」と思っていると、「お暑い中、おまたせいたしました。」と呼ばれたので入店しました。

地下の奥の席に案内されました。レンガのような壁に白いペンでたくさんの落書きが書かれている「おもしろい空間」でした。

学生街なので、客層は学生さんも多いのですが、スーツをきた人も数人いました。
ずっと「さぼうる」に行きたいと思っていたのですが、だいたいいつも行列しているので、どのくらい待たされるのかわからないからスルーして他の店にいってしまっていたのです。
神保町は老舗の喫茶店もたくさんあるし、新しいカフェもいくつもあるので、コーヒーブレイクを楽しむには困らない街です。

今日は誕生日なので、「少し待っても絶対入るぞ」と決めてやってきました。
ブレンドとチーズケーキのセットを注文しました。
登場したのがこれです。

想像では、三角形のレアチーズケーキがくると思っていたのですが、まさかのマルだったので驚きました。
「レアチーズと注文すべきだったのかも」
と少し後悔したものの、一口食べるとあら不思議。
中はレアでした。
しかも、かなりおいしい!

わたしはレアチーズケーキがスキで、いろいろ食していますが、今まで食べた中でもベスト3に入るおいしさです。

チーズケーキをひとくち口に入れ、ブレンドを少しすする。
という行為が、「おいしさ」ゆえにこの上なく楽しい作業になりました。

カップのヒダヒダに埋まっているケーキまですくって食すほど美味しかったです。

ほんとうはこの喫茶店で、自分のこれからの仕事の運び方を熟考したいと思っていたのですが、店内のミュージックがかなり大きなボリュームでかかっており、しかも「THE BLUE HEARTS」なので、BGMとしてやり過ごせず思わず聞いてしまいます。

なので思考は諦めて、とにかくこの空間を楽しむことにして、周りの人の話を聞いてみることにしました。
ひとりで来て名物のいちごジュースとピザトーストを愛おしそうに食す若い男性。
大学生なのかな、男性二人が話しているのは「宗教って儲かるかな」という仮説。
この騒がしい喫茶店で、これから面接をするために待ち合わせしていると電話で静かに話すスーツの男性。
話が聞き取れたのは、私の席の周囲の人だけでしたが、みんなそれぞれ、この空間を楽しんでいることだけは確かでした。

わたしももっと空間を楽しもうと、壁に書かれている落書きを拝見。
【オレは◯◯ちゃんと巡り会えて最高の気分だ!】
【◯◯くん、いつまでもわたしの広い広い青空でいてね】
などの、ポエミーな落書きから、
【広島から来ました】のような参上系、そして、
【おしん】という今、頭に浮かんだものを記す系、
さらに、なぜか複数の【谷村さんだいすき!】という言葉を見て、落書きの醍醐味である意味のない言葉の羅列を堪能しました。
わたしは、落書きを読むのが好きです。

一時間ゆっくり老舗喫茶店の空間を堪能して、せっかく神保町に来たのだから、気の向くままに入りたい書店に入り本を購入しようと思いました。
④気のむくままに行動するを実行です。

すると、ちょうどスマホのtwitterのお知らせがピン!となり、【生誕90周年上映フランソワ・トリュフォーの冒険】さんのツィートが表示され、「東京堂書店でトリュフォーコーナーを設置」という案内が書かれていました。

「いきなさい」というtwitterのお告げ?だと考えて、向かうことにしました。
東京堂書店は、神保町に行くと必ず寄る書店のひとつです。

「さぼうる」でお会計をすると800円でした。
学生の街だから、お安いんだなぁと感動しながら、ここでも1時間の過ごし方のパラダイムシフトを経験し、大満足で東京堂書店へ。

トリュフォーコーナーを発見するのが大変難しかったのですが、3階にあり、この本を購入しました。

ついでなので、誕生日プレゼントをもう一つ買おうと思って、いつもいくブックハウスカフェに行くことにしました。
この書店には絵本がたくさんおいてあり、自分への誕生日プレゼントに絵本をひとつ買おうと思い立ったのです。

ブックハウスカフェでは、悩んだ結果、レオ・レオニの「フレデリック」を購入。


ブルーハーツの歌詞にやられるまでは「さぼうる」で今後の自分の仕事について考えてみようと思っていたのですが、なんとなく今後は「フレデリックのように生きたい」という願望がわたしにはあります。
なので、決意表明の意味でも購入することにしました。

この時点で、誕生日の一日は大満足でしたが、もう少し書店をめぐろうと考え、その前にあと16%になってしまったスマホを充電するために岩波ブックセンターへ。
いつもお世話になっているカフェです。

レモネードを注文して充電しながら、今日の出来事をメモしておきました。
じつは、まだまだ細かい出来事があり、このnoteに書き記したことが全てではありません。(すでに4000字を越しているのに)

充電を待ちながらのんびりしつつ、「この後どうしようと」と考えるうちにすでに18時になりそうでした。

ふと、家で待っているであろう夫のことを思い出し、「なにか買ってかえろうかな」と思い立ちました。

でも、神保町って喫茶店やカレー屋さんなどの美味しいお店はたくさんあるのですが、持ち帰れるような食事を販売している店舗はあまり思いつかなかったのです。

そこで、さきほど立ち寄った東京堂書店のちかくに、リトル・マーメイドがあったことを思い出し、「パンでも買って帰るか」と思い、70%近くまで復活したスマホを持ち、岩波ブックセンターをでました。

東京堂書店のあるすずらん通りは、面白い店がたくさんあります。
そういえば、三省堂が立て直しのために休店するようで、すでにシャッターが閉まっていました。


もう一度、行っておけばよかったなと少し後悔しつつ、25年に完成する新店舗には必ず行きたいと期待しつつ、リトル・マーメイドに向かったのですがすでにしまっていました。

実は、このすずらん通りで、もう一つ素敵な出会いがあったのですが、それについてはまたの機会に記したいと思います。

神保町に行くといつも、神保町駅で地下鉄にのるか、小川町でのるか迷います。この日は、小川町まで歩いて、夫へのお土産を購入できる店を探すことにしました。

わたしは19歳のときに、神田美土代町にあった専門学校に通っていて、そこから三省堂で本を立ち読みするために頻繁にこの道を歩いていました。
もう、その学校もとっくに別のビルに建て直されているのですが、久しぶりにやってきた神保町もいろいろ変わっていました。

小川町の駅前に広島のアンテナショップがあり、そこで広島焼きを購入してお土産にしました。

家に帰ると、夫が誕生日のケーキを買って来てくれていました。
「なにもしなくていい」と言っていたのですが、「誕生日にケーキを食べなきゃダメだ」といって、紅茶もいれてくれました。

どれがいいか分からず、『ここからここまでください』と言って買ってきてくれたケーキ

二人で広島焼きを半分食べたあと、ケーキをいただき、
「ああ、こんなに幸せな誕生日を過ごせてよかったな」と、今日の充実した一日に感謝しました。

おしまい。




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