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あなたの人生に笑いを届ける『シェイムレス 俺たちに恥はない』日本でもファイナル放送

【海外ドラマファンのためのマガジン第97回】

「自分よりもダメな人を見る」というストレス解消法があります。

「見る」といっても、
「実在の人物をみくだす」という意味ではありません。

こういうときのために、映画やドラマ、小説などのエンターテインメントが存在しています

ダメな人を見て、「自分だけじゃないんだ」と知ると、安心するものです。

わたしの場合、海外ドラマの世界で「自分よりダメな人」を発見しました。
『シェイムレス』の主人公、本物のダメ人間フランク・ギャラガーです。

フランクは、アルコール依存症で、薬物大好き人間。 
基本的に無職で、給付金詐欺などでお金をせしめて、酒とクスリを購入しています。
6人の子供がいますが、子育ては放棄しています。
赤ん坊と小学生の子どもたちの世話は、長女のフィオナが働きながら担当していて、高校生の長男と次男は、バイトをしてお金を家に入れているんです。

こうして改めてフランクのことを書いてみると、本当にダメ人間の極みですね。

けれど、これが本当に不思議なのですが、フランクのことを見ているとなんだか安心するのです。

「さすがにフランクよりはわたしの方がマシだな。」と思えます。

さらには、ドラマを見ているとフランクがとても魅力的に思えてきます。

「どうやって働かずにお金を得ようか、酒を飲もうか」を常に考えているゲスぶりですが、その発想力は「スゴイな」とすら思ってしまいます。

しかし、こういうダメ人間が親だと、長女と長男は貧乏くじを引き、家族の世話をしなければならず、家に縛られる人生をおくることになってしまいます。

現実の世の中にも、「実家に縛られている」という人は意外とたくさん存在します。
血縁関係というのは目に見えない因縁があり、逃げ出したくても逃げ出せない、「家族を見捨てられない」というジレンマの中に囚われてしまいがちです。

自分の人生を生きるためには、一時的に、家族の元から離れて暮らすことが必要なのです。

そのため、「弟や妹、そして父親を見捨てて、自分の人生を追求できるか?」という究極の選択をしなければなりません。

特に長女のフィオナと、長男のリップには、この問題がつきまといます。

二人は賢いのに不器用で、チャンスを掴んでも自ら手放してしまうところがあり、「もうちょっとうまく立ち回ればいいのに」
と、やきもきさせます。

視聴者としては、子どもたちに「幸せになってほしい」と願うのですが、「現実の世界はそんなには甘くない」と教えてくれるところも、このドラマの良い部分です。

「たくましく生き残る」というのがギャラガー家の家訓です。
「家族のために力を尽くす」というのも家訓。

11シーズンの間、ダメ人間フランクを見ながら、「自分はまだ大丈夫」と安堵して、ブラックユーモアに爆笑して癒やされてきました。
このドラマには、笑いをたくさんもらったので、ほんとうに感謝しています。

貧困と毒親のもとで、たくましく生きるギャラガー家の物語が、どのように終了するのか、一人の視聴者として見届けるのが楽しみです。


シェイムレス11 俺たちに恥はない ファイナル・シーズン (全12話)

7月13日(火)よる11時からWOWOWで放送スタート


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