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故宮博物院、収蔵と作品と私

18歳の時生まれて初めて行った海外、それが中国の杭州でした。その風光明媚な風景と芸術文化にすっかり魅了された私は「絶対にここで水墨画の勉強をしたい!」と決意し、京都芸大の第二外国語にはなかった中国語もNHKラジオで勉強を始めました。

こうなると寝ても覚めても考えるのは中国の事ばかり。どうすれば杭州へ無事留学してやりたい勉強が出来るのか熟慮を重ね、修士課程時に国費留学の資格を得て杭州の中国美術学院へ行く!という計画に照準を絞りました。

努力はしても試験に合格できるのか不安だった時、母が連れて行ってくれた京都の占い師さんから言われました。「中国留学?大丈夫、全く問題なし。でもあなたはそのうち台湾に行くから!」

台湾…?台湾って…あの小さな島?

当時の私は南宋の都であった杭州を中心に、雄大な中国大陸の歴史や芸術文化しかカバーできておらず、「台湾」のふた文字に狼狽。そんな私に占い師さんは、「そのうち故宮博物院に作品が収蔵されるかもね!」と微笑みかけてくれました。

その後無事留学の夢も叶い、中国では合計3年間の時間を過ごしました。そして今では私の台湾居住期間も15年目に突入。現在は故宮博物院の収蔵品を復刻印刷する主人の仕事を手伝っています。

あの日占い師さんには「故宮博物院、収蔵と作品と私」がどの様に絡んで見えたのだろう?仕事と家事育児で手一杯の現状だけど、自分自身の作品制作の道を私はまだ捨ててはいないのです。

「故宮博物院、収蔵と作品と私」は、未来に向かって現在進行形。

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