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白いティッシュの誘惑

認知症グループホームに入居している人の中には、いろんなものを「食べ物」と思ってしまう人もいる。

美味しいの?

お皿の上におかずを取り分けた食品カップをむしゃむしゃ。
ゆで卵の殻むいてから、殻をポリポリ。
コーヒーについてくるフレッシュを丸ごとお口へポン。
シュガースティックは紙ごとむしゃむしゃ。
確かに甘いけど。。。
キラキラつるん、ボタンを見るとどうしても口に入れたくなっちゃう。
だから、私はボタンがついた服はなるべく着ない。

一番人気

中でも人気は白いティッシュ。
テーブルに置いてあるティッシュをつまんでそのままお口の中へ。
ふと思い出したかのように、テーブルの汚れを拭いたティッシュを食べてみる。
プリンの上にティッシュを丸めてのせて、生クリームに見立ててスプーンで食べる人も。

だから、正直ティッシュは置きたくない。
でも、食事中にティッシュを使う人は多い。
口を拭いたり、テーブルの上の汚れをとったり、洋服に落ちたご飯粒を拭いたり、と何かと便利。

そういえば、私が1歳くらいの時に白いティッシュを箱から出して遊んでいたらしい。
ヒラヒラ~、フワフワ~って散らかす。
オイルショックの時だったから、高級ティッシュを散らかす私を見て、両親は愕然としたとか。。。
笑う私に、怒ることすらできず1枚ずつ拾って片づけたらしい。

紙が好きなの?

ティッシュは口に入れるけど、似たようなトイレットペーパーやハンドペーパーは誰も口にいれへん。
きちんと四角にたたんで、何枚も重ねては胸やズボンのポケットに入れる。
なんか大事そうに持ち歩いてる。
部屋の机の上にきちんと並べて置いてある。
タンスの引き出しに宝物のように山盛りに重ねて保管してる。

で、ペーパーがポケットに入っていることを知っていても、たまに一緒に洗濯して乾燥機に入れてしまう時がある。
「あ~、やってしまった。」と反省しきり。
仕方なく、乾いた洋服をパンパンってはたく。
乾燥機もボロボロの紙まみれ。。。
掃除機でガーって乾燥機の紙くずを吸い取る。
でもさ、ティッシュは入ってないのよねぇ。

新聞紙やチラシが大好き!で集める人もあるけど、食べることはない。

甘~いらしい

気になって調べてみたティッシュの魅力。
それは「甘さ」。
なんで甘いんやぁ~!!と。
甘いもん好きな人がほとんどやのに。

甘いって罪やわぁ。苦いティッシュ、誰か作ってくれへんかなぁ。
塩辛いのが好きな人もいるから、苦いの、でお願いいたします。