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好きnote 23 「パーソナルソング」

パーソナルソングというドキュメンタリーが好きで、Amazonで買ってはいろんな人にプレゼントした。


パーソナル・ソング [DVD] https://www.amazon.co.jp/dp/B00UR4CD68/ref=cm_sw_r_cp_api_i_RyOFFb6Z3269A



認知症の方のご家族にご本人の昔の話を聞いて、その人が好きであっただろう曲を探って音楽を聴いてもらうと、娘の顔もわからなかったような方が昔の記憶を思い出すという事例をドキュメンタリーにした映画です。

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映画館で上映してる時は観に行けなかった。気になって探してもレンタルでは見つからなくてAmazonで買った。


この映画を観た時はまだ介護の仕事をしていなかったし、ただ音楽が好きで、私自身大好きな歌に人生が救われて運ばれてる感覚があるので、その感動を共有したくていろんな人にプレゼントした。プレゼントしすぎて、今私の手元にはこのDVDはない(笑)。


先日、私が働いている介護施設のNさんがレクリエーションに関するアンケートにこう書いていた。

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「オーケストラの少女」のディアナ・ダービンが歌っていた「椿姫」をもう一度聴きたい。

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今に帰ってから「オーケストラの少女」を調べた。YouTubeでNさんが言っていたシーンを見つけた。


これかーと思って、機会があったら聞かせてあげたいなと思っていた矢先、Nさんが高熱を出して居室に安静することになった。熱があっても割と元気そうで、でも何か元気づけたいと思った私は、植物が好きなNさんに庭に咲いていた季節の花を積みとって居室に飾り、時間がある時にポケットに忍ばせていた私のスマホでNさんにこのオーケストラの少女が歌う椿姫の歌曲「ラ・トラヴィアータ」を聴かせてみた。


最初は何なの?と怪訝そうな顔をしていたNさんだったが、途中から顔がパァッと輝いた。何の曲かわかったみたいで、目も輝いて笑顔で頷いていた。それはまるで、「パーソナルソング」の1シーンのようで、実際に自分の目で音楽の力をまじまじと感じられた瞬間だった。

「昔、旅行でアンネフランクの家に行った時に、アンネの部屋にね、ディアナ・ダービンのブロマイドが貼ってあったの。それを見て、私はアンネと私は同世代なんだなぁ!って知ったのよ。昔々の話…」

曲を聴き終わった後、Nさんは興奮気味にこうおっしゃった。


毎月施設のお誕生日会で私は歌っているのだけど、Nさんに聴きたい歌はないか聞いたらやはり「ラ・トラヴィアータ」だった。なので、声楽をしている友人にレッスンをつけてもらって、今、「ラ・トラヴィアータ」を練習している。


他にも今月のお誕生日の利用者さんから、「ハワイ旅行に行った事がないからハワイアンを聴きたい」とリクエストされた。なので、ハワイ語で自分が歌えそうな曲がないかをSNSで聞いて、今「カノ・ホナ・ピリカイ」もギターの弾き語りで練習している。


私は歌っているけど、あまり自分から人に聴いて欲しいという気持ちもなく、ただ好きな歌をうたって幸せを感じてるだけのところがある。

「歌を仕事にしたいと思わないの?」と言われたことがあるけど、のし上がるように努力して歌うというより、私は自分の心に自由に、好きな歌をうたいたいのだ。


リクエストされた歌は私が好きな歌ではないかもしれないけど、誰かのとても大切な歌。そして、入居施設の中で、今は旅行には行かないけど、旅するように、昔聴いた感動を思い出すように、もし私が歌えるなら、それは私がやりたい好きなことだ。


私自身、どんとの「おめでとう」という大切な一曲に救われて歌い出した。それは私にとって大切なパーソナルソング。

パーソナルソングを歌うということが、これから私の力になっていくのかもしれない。

誰にもきっと大切なパーソナルソングはあるはずだから。





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