良い聞き手になろう

人の話を聞くのが好きで、この性格にずいぶん助けられている。とにかく人間というのは程度の差はあれ話を聞いてほしい生き物だとつくづく感じる。
特に年齢が若ければ若いほど、自己の相対化のために話し相手が不可欠だ。年下にモテたかったら話を聞いてあげることだ。そのとき、できるだけ価値観を押し付けないことをお勧めする。もちろん会話とは相互作用でありこちらの主観的な判断も避けられないのだが、ここはひとつインタビューアかカウンセラーになったつもりで、相手の話を尊重する意見を投げかけてあげると相手は助かる。求めているのは自己を映し出す鏡であって、オマエ自身ではない。できるだけ透明になれ。オマエのことなんか誰も気にしてない。
つまり、自分に余裕がないと良い聞き手にはなれないということだ。精神的に自立して二本足で立つことで、外側に目を向けることができる。見返りを求めず、欲を出さず、自己完結している人間こそ、聞き手にふさわしい。
そうやって、小説や映画を鑑賞するように客観的に話を傾聴することに喜びを見出そう。切迫している人間が描くリアルな近況は、実は極上のエンタメになり得るのである。

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