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生成AI:マーケ用語徹底解説

どの業界にもあるように、マーケティング業界にも数多くの専門用語があります。日常生活では耳にする機会がないこともあり、ふんわりとした理解のまま、その用語を使っていることもあるのではないでしょうか。

今回解説する「生成AI」とは、文章やグラフ、画像などのコンテンツを自律的に生成するAIのことです。英語圏では「Generative AI(ジェネレーティブAI)」と呼ばれています。AIは以前からデータ分析や画像判別などの分野で活用されていますが、コンテンツそのものを生成できるようになったという点で、重要なマイルストーンと捉えられています。


実用に耐えるコンテンツを、AIが作ってくれる

AI(Artificial Intelligence)とは、いわゆる人工知能のこと。人間的な知能・思考プロセスをコンピューターで実行するプログラム(ソフトウェア)です。

具体的には、1つ1つは単純な計算や処理であっても、人間では到底不可能なレベルの回数の試行を繰り返すことにより、土台となるデータベースを蓄積。そのデータベースに対して、さらに別のデータを提示して共通性を割り出したり、何らかの特徴を発見したりするのがAIの基本的な役割です。

マーケティング的な視点であれば、例えば「過去1万件分の購買データから、クーポンを優先的に送るべき対象を割り出したい」といった作業を行ってくれます。

一方、生成AIは文字通り「生成」を目的とします。従来のAIと同様、ベースとなるデータ群が必要な点は変わりませんが、そこからコンテンツを生成できる点が、生成AIが画期的と言われるポイントです。

実現に至った背景としては、コンピューターの更なる性能向上、データ量の飛躍的増加などが挙げられます。

生成AIが注目されるようになった大きなきっかけは、2022年11月に公開された「ChatGPT」です。米国のOpenAI社が開発したAIで、チャットのような親しみやすいインターフェイスで使えるのが特徴でした。

ChatGPTは、チャットで文章を送るとその文章を要約したり、質問に対して具体的に答えたりと、検索結果を示すのではなく文章そのものを作成してくれます。使い方次第ではレポートをまとめたり、ニュースリリースの文章を作成したりすることも可能です。

マーケターやweb開発者が画像生成AIを手にする意義

最近は、画像を生成できるAIも相次いで登場しています。

代表的なサービスとしては「DALL-E 2」「Midjourney」「Stable Diffusion」などが挙げられます。アドビからは「Adobe Firefly」をリリースしており、Adobe Creative Cloud製品各種への組み込みを進めているところです。

例えばプレゼン資料に画像やイラストを使いたいとき、これまではAdobe Stockなどのストック素材サービスから入手するのが一つの方法でした。しかし、こうしたストック素材サービスは、必ずしも意図通りの画像が用意されているとは限りません。

こんなとき生成AIを使えば、入手したい画像の要素を文章で投げかけると、そのテーマに沿った画像を作成してくれます。意図したイメージと違う画像であっても、さらに情報を追加することで精度を上げることもできます。

例えば「男性がお菓子を食べている画像」を生成AIで作ったところ、イメージしていたのはイラストだったのに写真のような画像が出てきた場合は「イラスト調で」と画像のテイストを変更できます。また、実際に見たらお菓子よりおにぎりがいい、と思ったら「お菓子ではなくおにぎりで」というように、画像を修正してイメージに近づける試行錯誤が生成AIならば簡単にできます。

同じ作業を人間が行えば、精度は高いかもしれませんが画像を修正するたびに時間も労力もかかります。画像生成AIはその作業をすべてコンピュータが行ってくれるため、労力をかけずにコンテンツの品質を上げる試みを何度も繰り返すことができるのです。マーケターだけではなく、web開発者、記事編集者などにとっても、生成AIの恩恵は大きいでしょう。

生成AIを使いこなすための「プロンプト」

生成AIを使いこなす上で重要なのが「プロンプト」です。プロンプトとは、AIをどのように実行させるかという一種の命令文のことです。

ただし、プログラミング言語のような難解なものとは限りません。ChatGPTでは「○○について、500字程度でまとめてください」という自然会話のような文章がプロンプトに相当します。プロンプトが使いやすいか、分かりやすいかも、生成AIを使い比べる上での判断基準だと言えます。

将来的に生成AIが仕事の現場に普及していくと、より良いコンテンツを得るための努力が、使い手側にも求められていくでしょう。就職や転職でPCのスキルが問われるように、プロンプトに関する知識も今後重要になっていくかもしれません。

Adobe Fireflyなら著作権侵害の問題をクリア

便利な生成AIですが、著作権などの問題も指摘されています。生成AIはインターネットを含むさまざまな情報を大量に分析することで実現していますが、その元となる情報が第三者の文章や画像、イラストなどを使っているということで、他者の著作権を侵害する危険性があるのです。

Adobe Fireflyはこうした問題を解決するために、画像生成の素材として利用可能なものだけをデータにしており、Adobe Fireflyで生成した画像が他社の著作権を侵害しないよう配慮しています。

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