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アナリティクス:マーケ用語徹底解説

どの業界にもあるように、マーケティング業界にも数多くの専門用語があります。日常生活では耳にする機会がないこともあり、ふんわりとした理解のまま、その用語を使っていることもあるのではないでしょうか。

今回、解説する「アナリティクス(Analytics)」とは、直訳すると「分析」という意味ですが、マーケティング業界においてはWebサイトやアプリの利用状況を数値的に集計し、データの中から有意な規則性・傾向・特徴を発見する活動のことを指します。利用状況を知ることで「顧客を知る」、マーケティングの起点となる大変重要な分野です。

監修:安西敬介(アドビ デジタルエクスペリエンス事業本部 ソリューションコンサルティング本部 マネージャー 兼 プロダクトエバンジェリスト)


アナリティクスでWebサイトの“現状”を正確に把握

インターネットが普及していく中で、ECサイト、広告配信を目的としたメディアサイトなど、インターネット上でビジネスを展開するWebサイトが続々と誕生しました。

こうしてインターネット上のビジネスが本格化するにつれ、Webサイトが売上を増やす、またはサイト訪問者を増やすために、サイトの運営者は「自社サービスがどんな人にどれくらい利用されているか」を正確に把握する必要が高まっていきました。

街の小売店であれば、1日を通して何人が店に入り、そのうち何人が商品を購入したか、混雑していたのは朝なのか夜なのか、客は若い世代が多いのか高齢者が中心なのかなど、店員はある程度の情報を把握できます。

一方、Webサイトの客は物理的には見えないものの、何時何分にどのページへアクセスがあったか、1度サイトに流入してきた客は何ページ閲覧したかなど、デジタルならではの利用履歴を積み増していけば、顧客の全体像を類推できます。

この目的のために活用されるのが「アナリティクス」と総称される各種ツールです。人間ではなく機械(サーバー)が24時間365日体制でデータを集計してくれるため、網羅的に調査できるのもメリットです。

Webサイト訪問者をアナリティクスで「見える化」

こうしたWebサイト利用の集計・記録は、一般に「アクセス解析」とも呼ばれます。アクセス解析を実現するためのツールは数多くあり、「Adobe Analytics」もその1つです。また近年はWebサイトだけでなく、アプリの利用状況も解析できるようになってきました。

1度集計したデータはさまざまな形で応用できます。人間の記憶だけに頼っていては、例えば1年前のある日に何人の来客があったかを思い出すのは難しいかもしれませんが、アクセス解析ツールでデータを整理しておけば、いつでも過去のデータを振り返ることができ、Webサイトに訪れるお客様を「見える化」できるのです。

また、マーケティング施策を展開する上では、担当者の経験や勘が重要な時もありますが、その場合も主観の入っていない明快なデータを根拠とすることで、試した施策が成功したのか失敗したのかも判然としやすくなります。

例えば、キャンペーン用のバナーを複数制作したとします。そのうちどれを使うか、担当者の経験に頼るのも1つの手ですが、実際にすべて公開してみてクリック率に差が出ないか調査することで、決断するためのデータの客観性は高まるでしょう。

また、こうしたデータに対して、訪問者がサイトやアプリをどのように回遊してどこで離脱しているのか、その行動はセグメントによって異なるのかといった分析を行うことで、サイトやアプリの課題を認識し、改善していくことも可能になるのです。

AIの力をデータ分析にも活用

とはいえ、集まったデータを単に眺めるだけで有効なマーケティング施策が生まれるわけではありません。売上アップに貢献している要因は何なのかを見出すには、やはりスキルが求められます。

分析に悩む人々の良いパートナーとなりうるのが、AIによる機械学習です。無数にある計測値を掛け合わせた検証を人力でやるには限界がありますが、AIであれば膨大な計算を粛々と行うので、今までは到底発見しえなかったデータ相関関係などを見つけてくれる可能性が高まります。また、最近注目を集めている生成AIも、マーケターにとって手間がかかる業務をサポートしてくれるようになりました。AIや生成AIについてはまた別の機会で解説予定です。

Webサイトの利用統計データを取得しただけで満足するのではなく、売上を増やしたり認知度を高めるためにはどんな施策が必要なのかを発見するところまでやりきるのが、アナリティクスでは重要と言えるでしょう。

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