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MBSR講師養成に参加して、よりシンプルな生き方へ

第1期受講者で美容師の上田真弓さんにお話を伺いました。
インタビュアー:宮本賢也

1.毎日見えていた家の前の木が、初めて見る木のように美しく見えた瞬間

インタビュアー:
ご職業やマインドフルネスの出会いについて教えて下さい。

上田さん:
美容師をしています。MBSRとの出会いは、1年ほど前になります。そのころ、あるお客さんのことが頭のなかにずっと引っかかっていて、どういう言葉か忘れたのですが、ある日の朝、ふと思いついてインターネットで関連する言葉を検索したら一番上にでてきたのがMBSRのコースでした。それを読んだときに、お客さんのことは勿論のこと、自分自身がそれまでに抱えてきたものを解決するものではないかと感じて、すぐに申し込みをしました。

私は、若い時、心身の調子を崩した時期があり、20代の前半には心療内科にも2年ほど通った時期もあります。その治りかけの頃だったと思いますが、印象的な出来事がありました。家の前にある木を見たとき、それまで毎日見ていた木なのに、その時はいつもと全く違うものに見えたのです。光の感じや、葉っぱが風で揺れる様子など、とても美しいものに見えて、感動的な瞬間でした。見ていても、ちゃんと認識していなかった、という気付きがあったのです。心のありようで、こうも違うのだと

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そして、こういうふうに、気付きによって世界の見え方も変わるということも、自分が苦しんだ体験も含めて、そういったことに悩んでいる人に伝えられれればということを思っていました。

そういうこともあり、心というものに興味を持つようになって、通信教育で心理の勉強をしたり、坐禅会に行ったりということを始めました。

そうして、前述の通りMBSRに出会い、参加しました。参加して感じたのは、自分が体験した認識の転換というのが、プログラムの中にしっかりとデザインされていて、わかりやすくセルフケアの一環として使えるようになっているのだということでした。私はヨガもやっているのですが、ヨガや瞑想は、やろうと思えば家で一人でもできるし、職場でも外を歩いているときにもできるものです。

インタビュアー:
ご自身の体験されていたことがMBSRというプログラムで、多くの人にわかりやすく体験できるようにデザインされていると感じたのですね。お仕事柄多くの方の悩みを聞かれる機会も多いのでしょうか?

上田さん:
はい、美容師の仕事はお客さんとは1対1になるので、いろいろなお話をお伺いする機会があります。皆さんいろいろな悩みを抱えていらっしゃると感じます。

インタビュアー:
ご自身でヨガのご経験もあるのですね。

上田さん:
はい、最初はスポーツクラブで初めて、今の美容室を開業した5年ほど前からはヨガの練習も毎日やるようになりました。毎日やると自分の身体のコンディションもよくわかります。昨日とれたバランスが今日はとれないというようなこともあって、それも大事な気付きと捉えています。瞑想の練習もそれと同じと思います。
そういった、ヨガ、座禅、自分の心身の調子を崩した体験、お客さんとの会話など、それらが積み重なって、一瞬にしてここに答えがあるんだ、と感じたのが私にとってはMBSRでした。

2.MBSR8週間は手放していくプロセスだった

インタビュアー:
MBSRの8週間を実際に受講されたのはどのよう体験でしたか。

上田さん:
私はそれまで、いろいろなものを捨ててきたつもりだったんですが、参加するうちに、まだまだ自分の中にこんなものがあったのか、と気付かされることがありました。見栄をはるとか、かっこつけるとか、強がってみるとかそういうものです。自分を押さえつけていたものが見えてきて、自分はなぜこんなものにこだわっていたのだろう、と感じるようになっていきました。

インタビュアー:
そうすると、MBSRの8週間は、捨てていくプロセスという側面があったのですね。

上田さん:
はい、いろんなことに気づいて、手放していく感覚がありました
そして、今、講師養成に参加して、まだ始まったばかりですが、シンプルな生きやすさに近づいている気がします。自分はいまのままでも十分なのだと。

3.教えることは自分自身が学ぶこと

インタビュアー:
教えるためのプログラムに参加され、同時に自分自身を深めていっていると。

上田さん:
それは勿論そうです。教えるためには自分自身が体感するのが必要不可欠だと思っています。自分が体験したことしか伝えられないので。知識として学ぶこともすごく大事ですが、実際に体験したことと合わせて伝えると、もっとよく伝えられると思います。

インタビュアー:
今回、講師養成に参加しようと思われたのはなぜだったのでしょうか。

上田さん:
私の出会った方にも、結構苦しみを抱えている方がいるように感じています。それは強烈な苦しみではなくても、何かもう少し心軽く生きていきたいというかたは、当たり前ですが沢山いらっしゃると思います。テレビや雑誌で、自分を愛するとか自己肯定感を高めるとか、そういう言葉はよく聞きますよね。ただ、それを聞いても、それってどういうことなんだろう、と思っている人は多いと思うんです。MBSRはそういった本人の持つ力や可能性を実際に伝える手段になるんじゃないかと感じています。

4.同じ人間として付き合っていく仲間の存在

インタビュアー:
ここまで、モジュール1の3日間の集合研修を終えて、6月のモジュール2までの間の個人練習、受講者同士のグループ練習を行っているところですが、今までの所どのように感じていますか。

上田さん:
まず一番に感じるのは、仲間の存在です。いろんな職種、年齢のかたがいて、いろいろな体験をきくことができて、すごく楽しいし、興味深いです。

インタビュアー:
1期の皆さんは医療関係者や心理のご専門の方が多く、上田さんはもともとのご専門ではないので、少し気後れしているようなお話も以前お伺いしました。

上田さん:
そういうところもありましたが、一緒にトレーニングを始めていくと、お互いの足りないところをサポートし合いながらやっていくことのできる、一つの集合体なのだ、と感じるようになりました。モジュール1の前は、緊張していたところもあって、初日は一人ひとり個別の人が集まっている感じだったのですが、すぐにグループの一体感を感じるようになりました。そして、皆さん職業や年齢はばらばらですが、みんな同じ人間なんだなと思いました。当たり前ですが、みんな一所懸命生きているんだなと。そういうもの同士なんだという感覚があります。

インタビュアー:
今後、1年半かけて学んで行った先では、どのような場面でマインドフルネスやMBSRを伝えていきたいですか。

上田さん:
普通に暮らしている一般の方向けにMBSRのコースを提供できるようになっていければと思っています。MBSRは自分の強みを知るというか、可能性を知る体験になると思っています。また、自分は美容師として同業で経営や教育をされている方にも役に立つのではないかと思います。勿論お客さんや、そのご家族などにもお伝えできるタイミングがあればいいなと思っています。

インタビュアー:
ご自身の体験に基づいて学びを始め、そして、講師養成コースでの学びが自分自身の学びとなっていることも興味深くお伺いしました。本日はありがとうございました。

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