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レポート第16回レタスマインドフルネスワークショップ5

(続きです)

さて今日は「水のように生きる」というタイトルをつけてみましたが、水は盆に入れれば盆の形に、瓶に入れれば瓶の形になります。

お正月休みにマンガ『バガボンド』を一気に読みました。吉川英治の『宮本武蔵』が原作ですね。これは瞑想の本だと思いました。
その中のエピソードに、武蔵が水害に悩む百姓のために水路を作るというのがあったんですよ。でもうまくいかなくて、溢れていく水を見て武蔵が「水に意思はない」と発見するくだりがあった。

先日自動車を運転していて、割り込みをされました。後ろから来た車がちょっと待てば安全に行ける所を、ほんの少しの隙間を狙って先に行こうとして、私の車の前に割り込んできたんですね。
それを見て、『バガボンド』のあの場面を思い出した。

世間の人はみんな、水みたいに生きているんです。

溢れて流れる水は、杭にあって回りこんだり、岸にぶつかって波を立てたり、落差に出会って滝になって落下する。出会ったもののなすがまま、意志はないんです。
世間の人も、外的要因に揺らされるがままに生きています。
いやな事に出会えば腹を立てて、欲しいものに出会えば掴んで、何もない時はボーっとして生きています。
反射、反応のなすがままに生きています。

ブッダの言葉、『ダンマパダ』にこういう一節があります。

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怨みをいだいている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは大いに楽しく生きよう。怨みをもっている人々のあいだにあって怨むこと無く、われらは暮していこう。

悩める人々のあいだにあって、悩み無く、大いに楽しく生きよう。悩める人々のあいだにあって、悩み無く暮そう。

貪っている人々のあいだにあって、患い無く、大いに楽しく生きよう。貪っている人々のあいだにあって、 貪らないで暮そう。

われらは一物をも所有していない。大いに楽しく生きて行こう。光り輝く神々のように、喜びを食む者となろう。
(ダンマパダ第十五章)中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫
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(続きます)