IDGs(Inner Development Goals)の世界最前線ーマンスリーMiLi開催レポート
2023年2月のマンスリーMiLIは、「IDGs(Inner Development Goals)の世界最前線」と題して、スウェーデンを拠点に活動されている、北欧ウェルビーイング代表の小林麻紀さんをお招きして開催いたしました。
今後、注目されていくだろうIDGsについて、本イベント参加者限定のアーカイブ動画より一部を書き起こし、開催レポートをお届けいたします。
当日のアジェンダ
代表理事の荻野より、恒例のマインドフル・タイムからはじまりました。
チェックインでのコメント
SIY修了生コミュニティのSIY beyondメンバーをはじめ、マンスリーMiLIの常連参加者、IDGsのテーマにひかれて初参加される方もいらっしゃいました。
IDGsとは
ゲストの小林麻紀さんより、これでもか!というほど、IDGsに関する最新動向やご自身の見解をまじえて、とても分かりやすくお話くださいました。
投影スライドのスクリーンショットとサマリーをまじえて、IDGsについてのご紹介です。
IDGsが生まれた、スウェーデンの紹介から。
過去200年くらいは戦争がない、戦争のトラウマがない穏やかな地域です。
元々はヨーロッパの最貧地域でしたが、20世紀に経済成長を遂げて、エリクソン、IKEA、H&Mなど有名企業があります。SDGsの達成度、取り組み度のトップ3に入ってくるグリーン大国。このような土壌があって、IDGsがでてきました。
IDGsとは、Inner Development Goalsであり、日本語では内面開発か内面成長といいます。2020年にスウェーデンのNGOで運営され、内面開発に向けたフレームワークやツールキットなど提供しています。特定の理論というよりは、オープンソース的に日々アップデートされています。
ちなみにロゴが似ているのは、同じスウェーデンの会社がつくっているからですw
2020年以降、1年ごとにフェーズが変わってきました。
2023年現在は、フェーズ3です。
フェーズ1:問いかけをはじめて、1000万人規模の調査アンケートを実施
必要な資質、スキルを洗い出してフレームワークの構築
フェーズ2:どうやって実践していくの?で、ツールキットを開発
フェーズ3:フレームワークとツールキットを統合で、実践していく段階
IDGsとSDGsは密接に関係しています。
SDGsは2015年に定められて以降、7年後の2030年までにすべて達成する目標として設定されていますが、あまり進んでいないのが実情です。脱炭素はビジネスと結びついてトランスフォーメーションが進みつつありますが、大企業や大きな組織、政府単位で変えていかないと、本当のトランスフォーメーションは起こりません。
意思決定者、リーダー、チェンジエージェント、ファシリテーターなど、変革をドライブする人たちの能力や資質が大事ということで、資質を見極めるために大上段の意識からIDGsがつくられました。
IDGsは調査アンケートやアイディアで生まれたものではありません。
日本でも有名な『U理論』のオットー・シャーマー、『学習する組織』のピーターセンゲなど、権威な方々がアドバイザーとして参画されており、ツールキットの監修もされています。
しっかりした土台のあるフレームワークです。
IDGsのフレームワークは、5つの資質、23のスキルで構成されています。
変革していくリーダーや組織が、これらのすべてをもっていなくても、こういう資質があるといいよという、位置づけです。
chatGPTのようなAIが登場し、かなりの部分をテクノロジーで代替できる時代が、もう来ていますね。自分は本当に何をやりたいのか、どう価値を出せるかなど、自分のあり方、軸が問われてきています。
まさにVUCAワールド。レジリエンスやストレス耐性も求められています。
たくさんの情報ソースがある中で、何が本当に起きているのかを見極めていく力、クリティカルシンキングなど認知スキルも、その資質のひとつです。
また、他国で起きていることは対岸の火事ではなく、地球全体としてとらえ、地球市民として、つながりを意識することも必要になってきます。
さらには新規事業やイノベーションも求められる中では、成功体験や固定概念を崩し、さまざまな組織や人と協働(コラボレーション)しながら、変化を推進する行動力も求められてきます。
社会や組織を変革していくリーダーが自分の内面に向き合うこと自体、なかなかなかったことです。組織の学習やイノベーション、成長をもたらすには、チームの中には心理的安全性が必要と言われておりますが、それには、リーダーの内面(心の内)こそ、成長の余地があります。
ここまで紹介してきた、IDGsのフレームワークをつかってみるのは、新しいアプローチになるんじゃないかと思います。
(以下、中略)
フェーズ2で開発されたツールキットについての説明やワークの実践、フェーズ3の今後の展望、質疑応答など、惜しげもなくお話いただきました。
小林麻紀さん、ありがとうございました!
チェックアウトでのコメント
参加者の表情やコメントをみていると、2時間とは思えないほどのインプットや、新しい気づきを得ているようでした。
IDGsへの取り組み
MiLIでは、Global IDG Community Hubsに登録いたしました。日本におけるIDGsの定期イベント開催や情報発信、ツールキットの活用、事例づくりなど、積極的に取り組んでいきます。
ご興味ご関心ある方はぜひごっしょに、Inner Developmentを!
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