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【経済本100冊】Vol.77:『里山資本主義』(著:藻谷浩介)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、藻谷浩介さんの『里山資本主義』です。

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基本情報

タイトル:里山資本主義
著者名:藻谷浩介
初版発行年月:2013年7月
ページ数(大体):約300pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

里山を活用した持続可能な経済圏構築の事例を紹介してくれる本。


全体の感想

かなり売れている本らしく、僕が買った本の表紙は、スタジオジブリのイラストレーターが描き下ろしています。前半は山林の資源を最新技術で有効活用したエネルギー革命について、中盤辺りは地方のコミュニティの在り方について、後半辺りは日本経済の概論と今後の経済の多様性等について説かれてあります。これまでのマネー資本主義に対するアンチテーゼとしての里山資本主義の提唱と言うことで、地方活性化とかコミュニティ等、ソーシャルに関心のある人には非常にオススメの本です。必ずしもマネー資本主義を全否定している訳では無く、サブシステムとして地方独自のお金に依存しない経済圏も構築しておくと良いと言うスタンスが、何気に中道寄りなので、沢山の人から支持を得られているのではないかと思います。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★銘建工業は木くずを活用した木質バイオマス発電を導入
★銘建工業は木くずを木質ペレットにして販売
★CLTで木造の高層建築も可能
★オーストリアはペレットボイラーに力を入れる
★ペレットボイラーで多くの雇用を生み出すオーストリア
★オーストリアの森林マイスター
★森林マイスターの具体的業務内容
★オーストリアでの林業のイメージは「カッコいい」
★オーストリアの林業哲学は「利子で生活する」こと
★オーストリアでは反原発を憲法に明記

< 各詳細 >


★銘建工業は木くずを活用した木質バイオマス発電を導入
・・・岡山県真庭市の銘建工業では、「木質バイオマス発電」を導入している。「木質バイオマス発電」とは、木くずを燃料に燃やす火力発電である。銘建工業は建築材を作るメーカーだが、製材工場から出る木くずを発電に有効活用したのである。一旦は自家用の為だけに発電を始めたが、2002年に、電力会社に自然エネルギーの導入を義務付ける法律が成立したことで、電力会社から売電を求められるようになった。また、木材は、石油や石炭で発電するのに比べずっと炉に優しく、メンテナンス業者が驚く程傷みが少ないので、長持ちすると言う長所がある。


★銘建工業は木くずを木質ペレットにして販売
・・・銘建工業は製材工場から出る木くずを発電に有効活用しているが、発電に使いきれなかった分は、「木質ペレット」として販売している。「木質ペレット」と言うのは、木くずを円筒状に固めた固形燃料のことである。大きさは直径6~8mm、長さ2cm程度。使うには専用のボイラーやストーブが必要になるが、灯油と同じようにペレットを燃料タンクに放り込めばいいと言う手軽さである。しかも、コストパフォーマンスがすこぶる良い。灯油とほぼ同じコストで、ほぼ同じ熱量を得ることができる銘建工業は、このペレットを1キロ20円ちょっとで販売している。顧客は全国に広がり、一部は韓国に輸出されているとのこと

★CLTで木造の高層建築も可能
・・・銘建工業は「CLT」と言う建築材の研究開発もしている。「CLT」とは「クロス・ラミネイティッド・ティンバー」の略で、直訳で「直角に張り合わせた板」である。通常の集成材は、板は繊維方向が平行になるよう張り合わせているが、CLTは板の繊維の方向が直角に交わるよう互い違いに重ね合わせられている。たったこれだけで建築材料としての強度が飛躍的に高まるのである。このCLTによって、木造の高層建築も可能になると言い、実際オーストリアの都市部のあちこちに、CLTによる木造構想ビルが建ち並んでいる。震度7の地震にも耐える上、人為的に一室で火災を発生させて1時間経っても、隣の部屋に燃え広がらない耐火性も兼ね備えているのである

★オーストリアはペレットボイラーに力を入れる
・・・オーストリアはペレットボイラーの技術革新に力を入れている。基本的にオーストリアは小国で、地下資源に乏しい。原油を中東諸国に、天然ガスをロシアに依存して来たので、国際情勢が不安定化する度に、エネルギー危機に見舞われて来た。そこで、代替燃料としての木質ペレットに着目したのである。都合のいいことに、ザルツブルク周辺に既にペレット製造機会社があり、おがくずは農家や製材所や家具の製作所から手に入るので、まさに持続可能な供給チェーンがあるのである


★ペレットボイラーで多くの雇用を生み出すオーストリア
・・・ペレットやそれを利用したボイラーの生産技術は、オーストリアが他国より二歩も三歩も進んでいる。ペレットは一見簡単に作れるように見えるが、実際は非常に複雑なプロセスで作られている。木材を圧縮し、様々に手を加え、乾燥させ、更に圧縮して、厳格な規格に合うように仕上げなければならない。オーストリアには世界中にペレット製造装置を売っている大きな会社がいくつもあり、オーストリア全体で多くの雇用が生まれている。また、森林の育成・伐採から、ペレットへの加工、付随する機械の開発・生産、更には煙突掃除等アフターケアに至るまで、ペレット産業の裾野が広がる程、労働市場が生み出されて行ったのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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