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【経済本100冊】Vol.78:『経済学者はなぜ嘘をつくのか』(著:青木泰樹)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、青木泰樹さんの『経済学者はなぜ嘘をつくのか』です。

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基本情報

タイトル:経済学者はなぜ嘘をつくのか
著者名:青木泰樹
初版発行年月:2016年4月
ページ数(大体):約300pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★★ 結構ムズい


大和の適当あらすじ

主流派経済学の欺瞞を論理的に暴き立てて行こうと言う本。

全体の感想

色々な経済関連の本を紹介して来ましたけども、これは一番難易度が高いのでは無いかと思われます。様々な経済学の専門用語・概念のオンパレードです。古典派経済学から新古典派、ケインズ経済学と、主だった経済学の流れを辿りつつ、それが現実経済に対応していないと言うことを一つ一つ指摘して行っているんですが、結構学術的な説明が多いので、途中でよく分からなくなります。僕は5割位しか理解できてないかも知れないです。最後の方には著者独自の見解があり、アベノミクスを批判しつつ、量的緩和では無く財政政策をもっと重視した方がいい的な主張が為されるのですが、何故そのような結論に至ったのかは僕は理解できませんでした。。。(笑)小難しいんですが、ブックオフでは500円と割といい値段で売っていたので、読む人が読めば凄いいいことが書いてあるんだと言うことが分かる筈です!(丸投げ)

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★古典派経済学と投下労働価値説
★ワルラスの限界効用
★ワルラスの一般均衡論が新古典派経済学になった
★パレート最適とは
★市場メカニズム=資源配分システム
★ケインズが批判した新古典派経済学
★公共事業の大事さを説いたケインズ
★主流派経済学は数学の論理で説明できないものを捨象した
★不確実性に満ちた現実経済に数学モデルは通用しない
★非自発的失業者は存在しないと主張する主流派経済学者
★餓死の可能性のある低賃金労働は最初から選択肢に入らない
★構造的失業は非自発的失業である

< 各詳細 >


★古典派経済学と投下労働価値説
・・・アダム・スミスからリカードまでの古典派経済学の特徴は、「客観的価値説(特に労働価値説)」をベースにしていることである。客観とは「誰にとっても同一である」ことを意味する。商品の価値が観察可能な客観的な基準によって決まるとするのが「客観的価値説」である。例えば、物々交換では等価交換が原則である。等価交換で無ければ交換は成立しないので、共通の価値を見つけて、それが等しくなるように交換比率を決めなくてはいけない。商品に共通する価値は「労働」であると考え、その商品の生産に費やされた労働時間で決まると言う考え方を、「投下労働価値説」と言い、古典派経済学の代表的な考えだった


★ワルラスの限界効用
・・・ワルラスは、商品の価値は生産段階で決まるのではなく、消費段階で決まると考えた。例えば、リンゴの価値は生産された時の投下労働量で決まるのでは無く、リンゴを食べる人が主観的に決めるのである。その主観的価値には、「限界効用」が影響して来る。例えば、リンゴを既に千個持っている人は、更にもう1個リンゴを手に入れても、その価値を低く見積もる。対して、まだ1個しか持っていない人が追加でもう1個手に入れた時は、価値を高く見積もる。この、追加1単位の消費から得られる主観的な満足を「限界効用」と言い、追加する程満足は少なくなるのである


★ワルラスの一般均衡論が新古典派経済学になった
・・・ワルラスは限界効用を主観的価値論に留めず、全ての市場にも当てはまるとした「一般均衡論」を打ち立て、個人の「主体的均衡」と全ての市場均衡の両立が可能であることを示した。主体的均衡とは、個人が満足した状態にあることである。満足した状態、即ち最も幸せな状態にある時、その個人は行動を変えようとせず、その場に留まる。見方を変えればこれは安定状態である。そして、誰もが満足した状態で、全ての市場がバランスしている状態は経済が最も安定している状態、即ち「一般均衡状態」である。ワルラスの一般均衡論に基づく経済学は「新古典派経済学」と呼ばれ、現代の主流派経済学の中心に位置付けられる


★パレート最適とは
・・・ワルラスの後継者であるパレートは、一般均衡論を更に発展させた。例えば、社会がAさんとBさんのみから構成され、全ての資源もAさんとBさんが持っているとする。その場合、Aさんの効用(満足度)を増やすには、Bさんの持つ資源を奪ってAさんに渡すしか無い。しかし、そんなことをしたらBさんの効用は減少してしまい、彼は主体的均衡から離脱してしまう。この、「ある人の効用を増加させるには、最早他の人の効用を減少させなければならない状態」のことを「パレート最適」と言う。つまり、資源の最適配分が達成されている状態である。

★市場メカニズム=資源配分システム
・・・資源の最適配分が達成されている状態を「パレート最適」と言うが、もし、資源を有効利用できない人に資源が渡っていれば、その人から資源を取り上げて、有効利用できる他の人にわたせば、社会にとっては好ましいだろう。そうした改善可能な状態を「パレート改善」状態と言う。そして、改善可能な状態から最適な状態へ移行するには、特に何もしなくて良く、ただ市場メカニズムが十全に機能していれば良いと言うのが、経済学者パレートの答えだった。実は市場メカニズムとは、最も高い価格を提示した人に資源がわたると言う資源配分システムであり、他の人より高い価格が提示できる人が、それに見合った利用方法を知っているとみなされるのである

★ケインズが批判した新古典派経済学
・・・ケインズは、新古典派経済学には二つの欠陥があると指摘した。一つは「セイの法則」である。この法則は物々交換経済を前提にしており、「作ったものが全て売れる」とする経済観である。もう一つは「労働供給の理論」であり、これは完全雇用を保証するものだった。それまでの新古典派理論では、放っておけば経済は予定調和に至ると言う「自由放任主義」に重きを置いていたが、ケインズは、不確実な現実社会では必ずしも予定調和に至るとは限らないと言うことを主張した


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