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【経済本100冊】Vol.46:『5Gビジネス』(著:亀井卓也)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、亀井卓也さんの『5Gビジネス』です。

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基本情報

タイトル:5Gビジネス
著者名:亀井卓也
初版発行年月:2019年6月
ページ数(大体):約250pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい

大和の適当あらすじ

5Gビジネスにおける技術的な内訳や、4Gとの具体的な違いを細かく解説してくれる本。


全体の感想

5Gビジネスと言うと、AIによるSF的近未来をイメージしがちですが、この本では大分現実的な観点から、具体的にどのような需要があるかや、これからどのように需要を新たに喚起して行くかについて述べられています。通信の細かな制度とか技術の話が多いので、正直その辺について詳しくない人からすると、難しく感じる所が多いと思います。

あと、著者が独立した事業者と言うよりは、野村総研の一社員と言うこともあってか、そこまで尖った見解は無く、既に知られているようなことを整理し直して、より丁寧に詳細に解説してくれた本と言う感じです。なので問題提起はするけれど、未来への個人的な提言はほぼ無いと言えます。そこが僕的にはもやっとポイント何ですが、5Gについて、「普及しない可能性がある」と断言している所何かは、そこらの安易な5G賛美論とは一線を画しているので、地に足を付けて、適格に現状認識をする上ではとても良い本だと思います。

ちなみに、未来志向で理想家肌の落合陽一さんの本と合わせて読むと、より理解が進むと思われます。ここではとりあえず、基礎知識としての技術的な所を重点的にピックアップしました。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★1Gはアナログ方式、2Gはデジタル方式
★3Gは世界共通のデジタル方式
★4Gは高精細動画、そして5Gへ
★高速大容量通信は、成熟した高周波制御技術で実現され得る。
★ 超信頼・低遅延通信はエッジ・コンピューティングで可能になる
★エッジ・コンピューティングとC/U分離でネットワークの柔軟性が高まる
★ 多数同時接続はグラント・フリーで可能になる
★5Gは普及しない可能性がある。
★5Gでスマートメーターが導入可能になる
★地方の工場の5G需要に応えるローカル5G


< 各詳細 >

★1Gはアナログ方式、2Gはデジタル方式
・・・「5G」とは、「第5世代移動通信システム」のことである。80年代に始まった、持ち運びのできる携帯電話サービスが「1G」であり、音声を電波に乗る信号に変換して伝送する「アナログ方式」だった90年代は、データを0と1のデジタルデータに変換して電波に乗せる「2G」の時代だった。これにより、携帯は通話だけでなく、メールを始めとした各種データ通信サービスを利用する端末となった。99年には、NTTドコモが「iモード」をリリース。また、KDDIが「EZweb」を開始した。この時代には、携帯電話は単なる「移動電話」としての存在から、いつどこでもサービスが利用できる「プラットフォーム」へと進化したのである

★3Gは世界共通のデジタル方式
・・・2001年に「3G」が開始。3Gは初めて国際標準として定められた移動通信システムで、これにより、日本の携帯電話端末を海外でも使えるようになった。また、通信が更に高速大容量化した。2001年に国内で開始されたNTTドコモの「FOMA」は、3Gの商用サービスとしては世界初の快挙だった。2008年にはソフトバンクから「iPhone 3G」が提供され、スマホが爆発的に普及し、ソフトバンクも躍進した。3G普及後も、通信の高速化に向けた研究は進められ、「3.5G」、「3.9G」等と称されていた。猶、「LTE」は「3.9G」に当たる。


★4Gは高精細動画、そして5Gへ
・・・2012年には、標準化団体で次世代通信方式がまとめられ、「4G」としてサービスが展開され始める。4Gならではの変化としては、動画配信サービスやモバイルゲームのような、大容量コンテンツの普及が挙げられる。高精細動画が観られる4Gでは、スマホは益々普及した。その次に来るのが5Gであるが、5Gで実現すべきこととして、国際標準化団体のITU-Rは2015年に、「①高速大容量通信」「②超信頼・低遅延通信」「③多数同時接続」の3つのビジョンを挙げている。


★高速大容量通信は、成熟した高周波制御技術で実現され得る。
・・・5Gの「高速大容量通信」については、高い周波数の電波を制御する技術が成熟したことで、実現され得る。周波数は高い程減衰しやすく、移動通信システムとして活用するのが難しくなるが、基地局のアンテナを集積する「Massive-MINO」や、アンテナから一定方向に高い指向性を持つ電波を発信する「ビームフォーミング」と言う技術により、高周波を遠くまで飛ばせるようになった。そこで3・7GHz、4・5GHz帯の「サブ6帯」、28Ghzの「ミリ波帯」と言った、高い周波数で連続した電波帯域が5Gに割り当てられ、データをより大きなカタマリで送れるようになった。これにより、4G時代の10倍以上の通信速度が実現できると言う。

★ 超信頼・低遅延通信はエッジ・コンピューティングで可能になる
・・・5Gの「超信頼・低遅延通信」については、エッジ・コンピューティングで可能になる。通常、スマホでネット上のコンテンツをダウンロードしようとすると、「スマホ→基地局→通信事業者のネットワーク→ネット上のサーバー」と言う流れでコンテンツにアクセスし、今度はその逆の流れを辿ってダウンロードされる。一方エッジ・コンピューティングは、「スマホ→基地局→基地局近傍に設置されたサーバー(エッジサーバー)」と言う流れでアクセスし、その逆の流れでダウンロードでき、より短い通信経路で完結する方式である。これは、自宅の近くに市役所の派出所がある為、遠くの市役所に行く移動時間を削減できることをイメージすると分かりやすい。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


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