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【NLP】ロバート・ディルツ先生直伝 コーチングの6つのレベル


はじめに

こんにちは!メンタルブロック解除人の大和(やまと)です!

 コーチを目指している方、理想的な上司になりたい方、誰かの良き相談相手になって共に成長して行きたい方には、ロバート・ディルツ先生の説く、「6つのレベルのコーチング」がオススメです。

 ロバート・ディルツは、実践心理学NLPの共同開発者であり、リチャード・バンドラーやジョン・グリンダー、ジュディス・ディロージャと言った他3人の共同開発者と合わせて、「NLP四天王」と呼ばれています。

 特に教育、創造性、健康、リーダーシップへのNLPの応用領域の先駆者であり、人を導く立場におけるNLPの応用を得意分野としています。
 そんなロバート・ディルツ先生ですが、思いの外、彼の著書は日本では余り出回っておらず、発行された書籍も既に絶版・中古本扱いとなっているものが多く、大変希少なものになって来ています。

 その中の一つ、『ロバート・ディルツ博士のNLPコーチング』も絶版となっている本ですが、その中に書かれてある「6つのレベルのコーチング」が、コーチ・コンサル・カウンセラー等を目指す立場の者には非常に有益な内容でありましたので、ここにそのエッセンスを紹介したいと思います。

NLPコーチング

 内容自体はNLPを学んだ人を対象にしている為、専門的な所が多く、NLPを学んでない人が理解するにはやや難しいレベルになっていますが、書かれてあることは大変普遍的な考え方ですので、なるべくNLPを学んだことの無い人でも分かりやすいよう、噛み砕いて説明してみたいと思います。

 コーチングやリーダーシップ、延いては実践心理学NLPの入門書として、本noteをご活用頂ければ幸いです。


●コーチングの6つのレベルの理論的背景

 ロバート・ディルツ先生の説く「6つのレベルのコーチング」の理論的背景になっているのは、「ニューロロジカル・レベル」と言う理論です。これは人類学者グレゴリー・ベイトソンが提唱した概念を体系化して整理したものです。
 基本的には、「人間の学習と変化のレベルには階層があって、上位のレベルは必ず下位のレベルに影響し、何等かの変化を起こす」と言う考え方です。

 そして、各レベルにおける変化の仕方・させ方は各々異なる為、この各レベルにおける学習の仕方・指導の仕方を把握することで、よりスムーズに成長ができたり、人の成長を促したりできると言う訳です。


●ニューロロジカル・レベルの6つとは?

 ニューロロジカル・レベルにおける6つのレベルとは、下から順番に言うと次のようになります。

①環境
②行動
③能力
④信念・価値観
⑤自己認識(アイデンティティー)
⑥スピリチュアル(自分と言う枠を超え、より大きなシステムの一部であると感じるレベル)

 ニューロロジカル・レベルは、この階層の各レベルは異なる構造と機能を持っていると言う前提に立っています。だからこそ、各レベルで変化を生み出す為にも、異なるタイプの援助・コーチが必要になるのです。


●コーチングの6つのレベルとは?

 上記の各レベルにおいて必要なコーチングのタイプを、ロバート・ディルツ先生は6つに分けて整理しました。それは以下の通りです。

①新しい環境を学ぶには⇒「ガイディング(案内)・ケアテイキング(世話)」
②行動を改善するには⇒「コーチング(指導)」
③新たな能力を身に付けるには⇒「ティーチング(教授)」
④信念・価値観を強化するには⇒「メンタリング(助言)」
⑤自己認識レベルの成長を促すには⇒「スポンサリング(後見)」
⑥スピリチュアルな意識を高めるには⇒「アウェイクニング(覚醒)」

 よって、それぞれのレベルにおける支援的役割の呼び名も異なり、

①ガイド、ケアテイカー
②コーチ
③ティーチャー
④メンター
⑤スポンサー
⑥アウェイクナー

となります。

 それでは、それぞれの支援的役割がどのように違うのかを、順番に解説していきたいと思います。

●レベル1:ガイディング(案内すること)とケアテイキング(世話すること)

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 新しい環境を学ぶ為の支援には二種類あります。一つは「ガイディング(案内すること)」です。これは、最善な道は何かを教えてくれる存在です。なので、最善な道を知っていることを前提とします。もう一つは「ケアテイキング(世話役・管理役)」で、そのまま道を進む為のお世話をすることを意味します。具体的には、安全に道を進めるように、外部から余計な妨害が入らないよう注意し、その都度必要なものを提供して、環境を整えて行く支援をする存在です。


●レベル2:コーチング(指導する)

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 行動を改善する為の支援がコーチングです。これは、個人のパフォーマンスを上げて、目標達成の手助けをする存在です。コーチングでは、支援する対象を注意深く観察して、上手く才能を引き出していかなければなりません。更に、組織全体におけるコーチングにおいては、他のチームメンバーとの協調性も高めることに注意しなければなりません。
 優れたコーチは、人の行動をよく観察して、その改善点について状況別に応じた指導やヒントを与えて、成長を促すのです。


●レベル3:ティーチング(教授する)

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 ティーチングは、人の能力やスキルの開発を支援する為の存在です。ティーチングとコーチングは分野的によく重複しますが、ティーチングでは個々のパフォーマンスよりも、一般的な認識・学習能力を向上させることに重きを置きます。コーチングが、既に今ある能力をより引き出して高めることにフォーカスするのに対して、ティーチングでは、今までに無い新たなことをいかに学ぶかにフォーカスするのです。


●レベル4:メンタリング(助言する)

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 信念・価値観を強化する為の支援的役割がメンターです。より平たく言うと、その人の考え方に影響を与える存在です。今、インフルエンサーと呼ばれる存在が、マーケティング上注目を浴びて来ていますが、多くの人の考え方とか行動に影響を与えられる人はメンターと言えるでしょう。

 また、自己啓発の教えを説く人はモロにメンターと言える存在です。メンターにとって大事なのは、共感・尊敬されることです。自分自身の実例を通して相手から共感・尊敬され、その上で成長を促す為の助言を行い、相手のリソース(資質・能力・資源等)を引き出すのです。


●レベル5:スポンサリング(後見する)

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 自己認識レベルの成長を促す存在がスポンサーです。このレベルから、大分抽象的な内容の役割になって来ます。日本語で「後見する」と訳されていますが、「後見する」とは見守ると言うことです。別の言葉で言えば、「相手の未来の可能性を信じて見守る」と言うことです。守護霊みたいなものをイメージしてもらえると分かりやすいかと思いますが、高みから相手を見下ろしつつ、その未来を信じて見守るような存在です。
 
 自己認識とはアイデンティティーのことですが、良きスポンサーは、個々の存在がユニーク(唯一無二)な存在であり、大事な存在であるとして、肯定的なメッセージを常に送ります。人間にはどうしても相性があり、人間関係の好き嫌いがあるものですが、スポンサーは個々の個性をよく理解・承認して、時に保護して、その成長を促すのです。


●レベル6:アウェイクニング(覚醒する)

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 スピリチュアルな気付きを促す為の存在がアウェイクナーで、気付いたり、気付きを促すことをアウェイクニングと言います。スピリチュアル何て言うと、専ら霊的なイメージを思い浮かべやすいですが、霊も含めて、目に見えない世界の仕組みとか運命とかに、自分も包まれている存在であると言うことを示唆します。このレベルになると、単なる能力開発以上に、ビジョンとかミッションとかをいかに持ち、自覚するかが大事になって来ます。

 中々言葉では説明できない領域ですが、良きアウェイクナーは、自分自信のビジョン・ミッションを明確にしつつ、深い洞察力と個々の人間を取り巻く、より大きな次元からの助言で、人々の気付きを促していかなくてはなりません。

以上、6つのレベルにおける支援的役割の内容についてでした。

さて、コーチングでは支援するクライアントに対し、今以上の改善を図る為にどの課題に取り組むべきかと言う課題設定と、どのようにリーダーシップを取って、クライアントのモチベーションを高めるかと言うリーダーシップ・スタイルが必要になって来ます。

 そこで、それぞれのサポートレベルにおける課題設定とリーダーシップ・スタイルがどのように違うかについて、簡単に紹介したいと思います。

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