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【経済本100冊】Vol.97:『eリテール・インパクト』(著:西垣通)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、西垣通さんの『eリテール・インパクト』です。

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基本情報

タイトル:eリテール・インパクト
著者名:西垣通
初版発行年月:2003年11月
ページ数(大体):約230pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

ネットの登場で、消費者と生産者はどう変わったのかについて解説してくれる本。

全体の感想

「eリテール」と言うのは余り耳慣れない言葉ですが、要するにネット通販やネットオークションの登場で、今後のマーケティングはどうあるべきかについて述べられています。一人の著者の本と言うよりは、様々な企業の関係者へのインタビューを通して、企業はかくあるべきかについて論じられているので、若干まとまりが悪いです。且つ、物凄く興味深いテーマの割には、割と知名度の低い企業における、自社の取り組みばかりにフォーカスされていて、業界全体でどのように変わって来ているかが言及されていないのは、個人的にかなりもやっと感じた所でした。どちらかと言うとマーケティング寄りの内容の多い本ですね。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★ネットの登場による情報の流れの変化
★ネット社会はネット通信簿社会
★価格競争の進展と資産の負債化現象
★ネット通信簿で選ばれる企業とは
★アナログ魂×デジタル才
★アパレル人材が不足していた百貨店
★百貨店は自ら品揃え機能を放棄した
★アパレル企業の急成長と百貨店の後退
★ブランドの確立とレピュテーションの確立はイコールではない
★顧客サービス革命で成功したミスミとアマゾン

< 各詳細 >


★ネットの登場による情報の流れの変化
・・・マーケティングの立場からネットの登場による、ネット上の情報の流れの変化を見て行くと、中央集権型から分散・民主型に移って行ったと捉えている。元々非対称性を持っていた情報の流れが、消費者と企業の間でかなり均等化して来た。また、限定されていたチャネルの選択が自由になったり、取引コストが減少すると言う形で、ユーザー側が情報の発信・編集権の一部分を持つようになって来た。これにより、非対等であった消費者と企業の関係(企業側が優位、消費者が劣位)が、対等なものへと変わったのである。


★ネット社会はネット通信簿社会
・・・ネット社会とは即ち、ネット通信簿社会である。例えばTシャツであれば、それこそ中国の工場まで含めて、どこでどんなものを作っているか、ガラス張りになるだろう。キーワードに「Tシャツ」と入れると、生産キャパシティが出て来たり、ISOを取得しているかが分かったり、帝国データバンクの評価が分かったりするようになるのは、時間の問題である。つまり、ヤフーよりももっとビジネス調達向きの業種別サイトが登場し、ユーザーは表示された企業の上位5つ位に目星をつけて、相見積もりを手軽に取れるような時代になるのでは無いだろうか


★価格競争の進展と資産の負債化現象
・・・ネット通信簿社会は価格競争の社会なので、企業競争、系列破壊は相当進むだろう。そうなると、独自商品・サービスを持っている上に値段も安い企業で無いと、生き残るのは難しいと感じている。その際、キーワードの一つになるのは「資産の負債化」である。これまでは、例えば多くの支店を持っていた企業が勝ち組だったのであるが、今後は、それ故に逆に固定費が高くつき、足枷になってしまうと言う逆転現象が起きるだろう。代理店網を一生懸命築いていたら、いつの間にかそれが重荷になってしまう訳である。或いは既存のブランドが強過ぎるが故に新しいことができない等、様々な「資産の負債化」現象が出て来そうである。

★ネット通信簿で選ばれる企業とは
・・・今後は、品質・品揃え・価格・納期の全部にバランスの良い企業は、ネット通信簿社会では生き残れないだろう。逆に、マーケットの全てを押さえている訳では無いが、どこかが突出して強い企業が結果として強いのでは無いだろうか。また、情報力も、勿論強みになるだろう。何故なら、インターネットで探し出した企業の信頼性や技術力を評価する際に、その関連情報がどれ位充実しているかで判断することが多いからである。逆に、大企業型の、唯単にイメージがいい会社案内だけでは駄目だろう。

★アナログ魂×デジタル才
・・・ネットで売れているショップは、アナログ魂とデジタル才を掛け合わせて持っているような人達である。つまり、トップの顔が見えて、声が聞こえるようなサイトである。逸品・ドット・コムや楽天市場等の有名な電子モールは全部そうである。そして送られて来るメールマガジンは、あたかも親戚か友達から届いたかのような内容になっている。また、無農薬・有機野菜・地酒・ワイン等がネットでは非常によく売れている。これらの商品は、言わばウンチクと季節感が肝心である。電子メールをやり取りする内に、気が付くと、売り手の顔が浮かぶ商品がある、と言うようなレベルのマーケティングができることが理想的である。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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