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【経済本100冊】Vol.43:『世界経済のニュースが面白いほどわかる本』(著:小泉祐一郎)のあらすじ


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、小泉祐一郎さんの『世界経済のニュースが面白いほどわかる本』です。

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基本情報

タイトル:世界経済のニュースが面白いほどわかる本
著者名:小泉祐一郎
初版発行年月:2002年11月
ページ数(大体):約370pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

ソフトな対談形式で読める、世界経済のルールや基本概念の教材。


全体の感想

初版発行年が20年前とやや古いのですが、書いてあることは経済の原理原則の解説ですので、今日読んでも全く色褪せた感じがしません。代ゼミの公民科講師の解説本であり、全体的にいかにも受験生の為の即わかり教材と言うようなテイストです。しかし大人でも興味深く読めるような内容で、特に国際収支の概念の所は、分かってるようで分かってない人が多いと思うので、ここではそこの所の学びポイントをピックアップしました。

猫のような可愛らしいイラストのキャラとの対談で解説が進んで行きますが、スマホのチャットのような要領で進んで行くので、スマホ対応のコンテンツとかに読み慣れている人には、非常に読みやすいんじゃないかと思います。また、大事な所は太字や赤字で表示し、イラストや図解も沢山あるので、そこが親切設計です。

しかしながら、お金の流れや関係性を基礎の基礎から説いて、その論理の積み立てで全体としての現象をしっかり飛ばさずに語って行きますので、適当に読んで行くとすぐに頭が混乱しますので、そこがビギナー向けとは言え注意が必要な所です。とは言え、読者の挫折ポイントも配慮した上で丁寧に解説してありますんで、じっくり読めば全体の理論はすぐに理解できる筈です。経済ニュースを読み解く下地がかなり厚くなりますので、まさに表題通りの本と言えるでしょう。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★国際収支と経常取引とは
★資本取引とは
★貿易収支の赤字・黒字の意味
★資本収支の赤字・黒字の意味
★国際収支統計における居住者・非居住者の意味
★経常移転収支が赤字なのは先進国の証
★国際収支発展の第1段階
★国際収支発展の第2段階
★国際収支発展の第3段階
★国際収支発展の第4段階
★国際収支発展の第5段階
★国際収支発展の第6段階

< 各詳細 >

★国際収支と経常取引とは
・・・「国際収支」とは、一定期間内における、一国の対外的な経済的取引に伴って生じた外貨の受取りと支払いを記録した統計のことである。平たく言えば国家の家計簿である。「経済的取引」には大きく、「経常取引」と「資本取引」の2種類に分けられる。「経常取引」とは、現在だけに関係する取引であり、将来に対して債権・債務等を残さないような対外取引のことである。つまり、対外的な取引の中で、すぐにお金(外貨)を支払ってしまうケースのことを指す。経常取引の記録のことを「経常収支」と言い、経常収支は「貿易収支」、「サービス収支」、「所得収支」、「経常移転収支」の4項目で成り立っている。

★資本取引とは
・・・「資本取引」とは、将来にわたって債権・債務関係を残すような対外的な金融取引のことを指す。例えば、日本企業から外国の銀行から借金をして、それを何年かかけて返済するとか、日本企業が外国に支店や現地工場を設立する為に出資するケース等がこれに相当する。この資本取引の内、外国に支店や現地工場を作ることを「直接投資」と呼ぶ。資本取引の記録のことを「資本収支」と言うが、資本収支は直接投資や証券投資等の「投資収支」と、それ以外の資本財の援助等の「その他資本収支」の2項目で成り立っている。

★貿易収支の赤字・黒字の意味
・・・国際収支統計では、どんな取引も必ず、外貨が自国に入ってくれば「プラス(黒字)」として記録し、外貨が自国から出て行けば「マイナス(赤字)」として記録することになっている。その為、日本が車を外国に輸出して、外国から代金をもらえば、この取引は経常収支の中の貿易収支の黒字として記録される。また、日本が外国から原油を輸入して、代金を外国に支払えば、これは貿易収支の赤字として記録される。なので、貿易収支は、輸出額から輸入額を除いた、「貿易収支=輸出額-輸入額」の式で表され得る。

★資本収支の赤字・黒字の意味
・・・日本企業が外国の銀行から借金をすることは、日本企業が債務を負い、外国の企業が債権を持つと言う関係になるが、イメージとしてはお金が入って来るので、国際収支統計では日本の資本収支の黒字(プラス)として計上されることになる。これは将来その外国に返済しなければいけないと言うことで、資本収支の黒字は「対外負債を追っている」ことも意味している。逆に、外国に対して投資をすると言うことは、お金が出るので資本収支の赤字(マイナス)として記録されるが、将来リターンが見込めると言うことで、「対外資産を持っている」と言うことも意味している。

★国際収支統計における居住者・非居住者の意味
・・・国際収支統計は厳密には、「一定期間内における一国の居住者と、非居住者との取引を記録したもの」と定義される。この「居住者」とは、「ある国の経済領域内で住居や生産活動の場所を有し、一定期間以上にわたって経済活動に従事している個人・法人」のことを指す。その為、外国企業の日本支店等も、一定期間継続して日本で経済活動を行えば「居住者」と見なされ、日本人との取引は居住者同士の取引とされ、国際収支統計には記録されない。逆に駐留米軍基地は長らく日本にいても、それらは日本の経済領域内とは言えない為、米軍基地に雇用されている日本人の給与は非居住者と居住者の取引として、国際収支に記録されるのである。

★経常移転収支が赤字なのは先進国の証
・・・「経常移転収支」とは、対外的な援助額の記録である。発展途上国が先進国から援助をしてもらえば、お金が入って来るので経常移転収支は黒字である。逆に、先進国側からすれば、お金が発展途上国へと出て行くので、経常移転収支は赤字である。その為、一般論としては、経常移転収支が赤字の国は先進国であり、経常移転収支が黒字の国は発展途上国であると言える。日本は世界の中でも政府開発援助(ODA)額が大きいので、経常移転収支は大体赤字である。ちなみに、途上国でのインフラ整備の為の援助は投資と見なされるので、資本収支の中の「その他資本収支」に記録される。「その他資本収支」も日本は赤字である。


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