見出し画像

コロナから見る買占めやデマが流れることについて

初めましての方は初めまして,いつも見に来てくださっている方,お世話になっております。スプーン界の集会酒場,占い屋店主はると申します。

今回は配信中にリスナーさんから質問をいただきました,コロナから見る買占めやデマが流れることについて心理学的に解説してみました。

・パニックについて
買い占めやデマに関しては根幹としてパニックが挙げられますが,自分はパニックではない考えております。パニックとは心理的に動転し,動揺するとか,慌てる以上のものを持っており,巻き込まれた人々が理性をなくしたり非合理的に振る舞うもの,互いに暴走することによって災いを拡大するものなどのマイナスの印象があげられます。しかし買占め事件やデマの根幹に関しては別に理性や冷静さを失ったわけではなく,自ら合理的に行動した結果,買占めが起きたといえます。


・買占め騒動についてwith社会的ジレンマ
買占めに関しては社会的ジレンマで例えられます。社会的ジレンマとは①一人ひとりが協力か非協力か選択できる状況で,②個人にとっては協力を選択するより非協力を選択した方が望ましい結果を得られるが,③全員が「非協力」を選択した結果は,全員が「協力」を選択した結果よりも望ましくないものとなる,という①〜③の状態が社会に存在するとき,個人は進んで「協力」を選択しなくなり,全員が協力した方が望ましい結果が得られることがわかっていながら一人ひとりは「非協力」を選択するため,全員にとって望ましくない結果となる(Dawes,1980)。
つまりトイレットペーパーやマスク,食糧について買占めをしない(協力)方が社会的に良い結果(皆に行き渡ることができる)になるが,自分だけは買い占めておく(非協力)方が自分自身は得をすることができます。そのため買占め事件が起きていると考えられます。
解決策自体は一人ひとりが理性的に自分だけが得をしようとしないことでしょうが難しいと言えるでしょう(そもそもマスメディアも物流が止まらない以上,対して大きな混乱を招く必要性がないということに気づかなかったのでしょうか)。


・デマや間違った情報の拡散についてwith日常性バイアス
デマや間違った(ここでは科学的根拠のない話と定義します)情報が拡散されていますように見えることについては理由の1つに日常性バイアスがあげられると考えております(本来の語彙とはちょっと違いますが)。人は大きなトラブル(自然災害や,火事,事件)に見舞われることは大多数の人々にとって非日常的な体験となります。そういった状況に遭遇したときに「自分は大丈夫」,「今回は大丈夫」などど過小評価し,日常の延長線上であると考えようとします。これが日常性バイアスというものです。そのためリスクを過小評価し,あたかも根拠があるかのようにTwitterやSNSでデマや間違った情報が拡散されてしまいます。

人間は受け取った情報を無条件で信じようとします。その上で自身の中で判断基準がそして正常性バイアスが働くからこそ,脅威のないものとして扱おうとして自分たちにとって都合の良い情報を拡散しようとします(コロナウイルスは26度以上の水を飲めば死滅するといった謎の情報etc…)。ただTwitterやSNS上での炎上とはインターネット全体から見ればごくわずかなものであり,自然と淘汰される仕組みが出来上がっております。だからこそTwitterなどで広く拡散されているように見えたとしても2,3日後にはその情報は消えていきます。
このような情報の拡散は少なくともその人にとっては善意からの拡散だからこそたちが悪く,消え去ることがありません。論理的にお話ししたところで納得するものでもないし,感情論で考えてしまうので科学的根拠というものがほとんどありません。また情報源なしに〇〇から聞いたや,政府関係者からの情報なんだけれどもといったあたかも信頼性あるかのように拡散することがタチが悪いです。

情報がどんどん拡散されていくうちに情報だけが一人歩きして,それを見た誰かがそれに文句を言ってさらに炎上したりと言った現象もありますね。
悪意を持ってデマを拡散する方が一定数いることもまた事実ですが,こちらは本題から外れてしまうので今回は置いておきます。

社会心理学の観点からスプーンで質問をいただいたことに関してご回答させていただきました。
またもしよかったらスプーンの配信にも遊びにきていただけましたら幸いです。

参考文献
Dawes, R.M.(1980) . Social dilemmas. Annual Review of Psychology, 31, 169-193池田謙一(2013) .新版ー社会のイメージの心理学―ぼくらのリアリティはどう形成されるか, サイエンス社
北村英哉・内田由紀子編(2016). 社会心理学概論, ナカニシヤ出版


ブログの更新情報や配信のお知らせなどはツイッターにて発信中です。
もしよろしければフォローもお願いいたします。


もし記事を気に入っていただけましたらサポートいただけらば幸いです!いただいたサポートにつきましては今後の配信や執筆に関しての費用にあてさせていただきます。