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VOl.8「あの公園から見上げるソラと、介護士シドの日常」

#事実に基づいたフィクション   #東京の公園 #健康寿命 #公園の楽しみ方 #認知症 #介護の職場 #60代の生き方 #やま #山下ユキヒサ

「あの公園から見上げるソラと、介護士シドの日常」VOl.8
(2260文字・5.7枚)
※これはシリーズものです。

そして追加のメッセージを上げた。

「皆様❗️
まだまだのお年頃ですが、同時にそろそろのお年頃でもあります。
大雪。
転倒注意でお願い🤲致します。」

そう送ってから、自分が書き込んだ内容を噛み締めていた。

まだまだだけど…同時にそろそろ…か。

50代後半から身体の何処かがひょっこりと痛くなる。
それもある日、なんか痛いな〜という感じで気が付き、2、3日してあっ、やっぱり痛いと自覚する。

それから痛みは続き、今日も痛いな〜痛いな〜と思って過ごす日々。しばらくすると痛みは知らないうちに消えている。
あれ、痛くない。
ある日気がつく。
そして、忘れた頃に別の部位が痛くなる。まあ、そんなしょっちゅうじゃないけどね。
そんなお年頃。何処かしらに不調の火種を抱えている。

主に腕、腰、膝だ。整形外科にも通った時期がある。
いわゆる50肩の経験はなかったが、還暦を挟む前後で、左腕の痛みは4ヶ月近くも続いた。

どんより重く、鈍い痛みを伴った。ついつい無意識に右手で左腕をかばう。

僕の還暦の祝いに娘が、夫婦のために予約してくれた、ちょっと高級なレストラン。
そこで食事終わりにスタッフが撮ってくれた記念写真も、後で見返すと無意識に左腕をかばうような仕草のポーズ。
長くかかったが、それもいつのまにか痛みは消え去った。

そして現在は右腕の痺れ。
痺れは初体験。断続的にぎゅーと絞られるような痺れが、肘から前腕と第一指と第ニ指の指2本にある。(親指と人差し指)

痛みは嫌なものだが、ネガティブばかりに捉えるのは間違っている。
身体の痛みはいろいろなことを教えてくれるからだ。

言うなれば、痛みとは身体のアラート(警告)だ。
痛みは身体を守るための機能の一つ。
身体の声に耳を澄ませば、見えてくるものがきっとあるはずだ。

「先天性無痛無汗症」は、生まれつき痛みを感じる神経や発汗機能をコントロールする神経が発育せず、痛みや熱さ冷たさを感じない(感じにくい)、汗を かかないという病気です。 そのために、けがややけどや骨折を繰り返したり、 虫歯に気づかず悪化させたりして、体に障害を起こすことがあります
厚生労働省

若い頃は、痛みの原因がはっきりしていた。分かりやすかった。

筋肉の酷使で筋肉痛。
部活の稽古で打撲痛、骨にヒビが入ったこともあった。

20代から40代も何か明確な現象があって痛みが出現する。
分かりやすかった。だが、還暦の声を近く聞くにつれ、ちょっとしたことで痛みが出現したり、その原因がはっきりしなかったりする。

「知らないうちにさー、何処かにぶつけてアザになっていたりするんだよね」年齢が近い、同僚男性の言葉だ。
知らないうちに、と、そんなこともある。

信号が変わりそう、電車が発車する、あっバスが来た。

そんなタイミングで、急に走り出しことがある。
すると身体の何処かが急に「イテテッ」となる。

そんなことが続いたので、
小学生の頃、廊下に張り出された標語のように、心に決めた。

「廊下は走らない」

ではなく、

「急に走り出さない」

と、自分に制限をかけ、突然走らない生活をしばらく続けていた。

そんな生活が原因か筋力低下を招いた。心肺機能もきっと落ちていたに違いない。
駅の階段を登ると、息が切れるようになったのだ。

しんどい。

この歳でこんな状況ではあと5年、10年経ったらどうなってしまうんだろう。そう思うと怖くなり、冗談ではなく危機感を持った。

どげんかせんといかん。

若い頃に運動をしていた人にありがちな幻想。自分は昔、鍛えていたから大丈夫。激しい運動をしていたから基礎体力はある。

最近運動していなくて腹が出た。
でも大丈夫。
ちょっと腹筋、スクワットでもすればすぐに元に戻る。俺、散々やってきたし、やり方知ってるし。

でもね、若い頃と違って代謝は落ちている。すぐには痩せない身体だ。
そんなの簡単、その気になればすぐ…、そんな幻想から行動にはなかなか移せない。

先の、廊下は走らない。
改め、
「老化は走りましょう」

老化防止には運動しましょう。
なんだね。
それも激しい運動は必要ない。

毎日の朝散歩や軽いジョギングで充分なのだ。

そんな時に「あの公園」との出会いがあった。公園を自分のフィールドにして運動を始めた。

公園はいい。

入るのも自由なら、出るのも自由。
予約も要らないし、費用もかからない。車も自転車も走っていない。安全だ。一人でもいいし、仲間と行ってもいい。ちょとした自然にも触れられる。

3分だけ立ち寄っても、30分ベンチに座ってnote書いていても、園内を散歩し、その後ぼーっと池を眺めて1時間過ごしても、誰も何も言わない。
ただ寒い季節は寒いし、暑い時期は暑い(笑)あの公園、夏の木陰は涼しいけれど蚊がいる。

幼児から高齢者までの幅広い利用者の様子が、癒しや刺激になったりする。

「自分にもあんな子供時代があったな」とか。

「家庭を持って子供ができたりするとこんな感じなのか」とか。

「自分もあと10年経てばあんな感じかな」とか。

「どう見ても70代のあの人、あんなに早く走ってる」とか。

公園って、人生を俯瞰できる。そのことに気が付いてから、さらに公園に魅力を感じた。

自分のお気に入りの公園を見つけて、利用してみませんか。

公園での運動。
また、「運動」には驚きの効用がある。





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