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最後の贈り物は五本の薔薇だった。


先日、縁ある女の子と決別した。と思う。

もう彼女は私に会いたくないと思っていたし、私もそれを分かっていた。

しかし縁とはそんなもんで

まーーこんな状況じゃないと最後に顔も見れないかっと会いに行った。

彼女の誕生日のお祝いである。


大人になるとだんだんと切れてそのまま関係が死ぬという事になり得がちだろう。

しかしながら彼女とはそうなならなかった。

最後に顔が見れてよかった。


時間がたったらまた会うかもしれないじゃん?って思うタイプの人間なのだが

今回はちゃんと終わりなんだなーって素直に思えた。

人生で二人目の終わりである。


もうこれから先、彼女に会う事があっても何も揺るがないだろう。

そう思えるのはやはり最後の時間の共有だろう。


傷ついて傷つけてなんて有意義な数分だっただろうか。

ケンカになんてなりやしない。

ただまた機会があったらご飯でも一緒行こうよ

の問い掛けはスルーだったので

笑みがこぼれるほど終わりを感じた。


私は誕生日のお祝いに5本のバラを贈った。

5本のバラは『出会えた事にありがとう』や『あなたと出会えてよかった』との意味合いである。

未来を約束しない感謝と愛情である。

幸いにも喜んでくれたので良かった。


でも全然意味が分からない感情なのだ。

全然好きじゃないのよ。

執着と言うか興味。いややはり執着が適切だろう。

恋愛関係にあった時の感情から

執着と根本的な興味と少しの愛情だけが残っているそんな感じなのである。


まぁそれは彼女からすれば迷惑な話で(笑)

お互いクソみたいな気持ちになったりしてたんだと思う。

別にいいけどねw


まぁ本当に終わりを感じた。

最後になるだろうと思って話せる場と言うのは気持ちの良いものである。


私が彼女を好きだった頃を思い出す事はこれから先何回もあるだろう。

あの時の気持ちを覚えている。

それはとても尊くて出会ってくれてありがとうとしか思わないよね。


まぁ私はとっても都合の良い性格と脳みそなので

彼女が傷ついておかしくなっただの太ももの傷が消えないだのetc,,は

どーでもいい。むしろ面白がってる節すらある(こういう発言が彼女を怒らせていた)



今日はそんな彼女との印象的なエピソードを書いて行こうと思う。


初めて出会った時、彼女は17歳だった。多分。

よく走ってた。

女子高生は走る。いや彼女は大人になっても走ってたけど。

なんであんなに煌めきがあるのか。

今でも思い出せる。

カバンを道に投げ出して

俺の名前を叫びながらダッシュで飛びついてくる。

マジで倒れそうになった。


笛ラムネを一緒に拭きながら歩いたり(マジうるさい)

血がにじむまで腕にかみついてきたり、


なかなか彼女だけのエピソードが多すぎるのだ。


若い煌めきの彼女とのエピソードで忘れられないのは

花火だ。

そう。花火。

プリ機の中で花火したのよ。


多分、一生忘れないと思う。頭おかしい。


彼女は当時から素直すぎる位、素直で裏表がなくて

とても魅力的だった。

今考えるとパパやママとケンカした話も懐かしく思う。


俺の歯を首から下げて満足そうに人に見せて気持ち悪がられてるのはとても面白かった。


そしてこっぴどく私は彼女を捨てて、彼女は立派な暗黒期を過ごし、

たまに酩酊しては電話かメールが来る。そんな感じだったっけか。


昼間ここで知らない人とセックスしてた!!っと言いながらなぜか俺は夜にそのラブホに一緒にいたりもした。なぜかセックスもしてない。

なんかのタイミングで(多分それもホテルだった気がする)

冗談半分でじゃー白衣来て来いよwって言ったらママに手伝って着せてもらった!!って言われた時はクラクラした。


そしてさらにいつだったか家まで朝送り届けた時に彼女の母親の前で彼女は俺にキスをしてさっさと部屋に帰ってった。

その時に彼女のママと少し会話したのを覚えている。

彼女の母は涙を流していた。


そして月日は流れ、


そして彼女は暗黒期ながらも働いて結婚に至る相手に出会った。

そして二人の子を産んでいた。

そして私たちはまた会ってしまった。


今考えると多分恋愛感情を抱いたのは2回目な気がする。

17歳の彼女は恋愛感情も持っていたが面白い生物と一緒にいる感覚のほうが大きかった。

まぁ2回目のお話はする気はない。


ただそうだな。子供は可愛い物だと思わせてくれた事は感謝してる。

正直、最初は大切な人の子だから可愛いと思えた節はめっちゃあるが

今では子供は否応なしに愛でれる瞬間を持つという事を教えてくれたのは彼女だった。


そして2回目も終わり、なぜか上手い距離感に収まれない私たちは

大人になっても物足りないのか距離を縮めてみてはムカついて

楽しくて、ムカついて。


そして終わった。


私はきっと彼女を忘れない。

思い出せない事も増えていくし、新しいものはもう増えないけれど。


俺が彼女に対して幸運を祈る事すらなんかおかしく感じる。

だから幸運や幸せなど祈らない。

複雑な感情だ(笑)

まぁもうとにかく区切りはついた。


まるっと感謝の気持ちはめちゃくちゃあるんだけどね。

うん。

なんでごめんねは湧いて出てこないんだろうw

きっと怒るんだろうなぁ。


たくさん、ありがと。

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