019 女のいない男たち
こんばんは。今月は仕事が繁忙期のため、お休みは月曜日のみ。
そんな束の間の休日、短編集を読み終えた。
2021年に「1Q84」を1年かけて読み終え、しばらく村上作品はいいかな、と思ってたところに、Twitterでのやりとりをしているうちに「村上熱」が再燃、ブックオフで数冊買ったうちのひとつ。
この本を読み終えて、まず浮かんだフレーズが「one of them」。
そう。まさに自分もここに出てくる男たちと同じ境遇。
詳細は言えないけど、僕もこの物語に出てくる「女のいない男たち」=「最愛の人を失った男たち」のひとりなのだ。
表題でもある「女のいない男たち」に象徴的な文章があった。
ある日突然、あなたは女のいない男たちになる。その日はほんの僅かな予告もヒントも与えられず、予感も虫の知らせもなく、ノックも咳払いも抜きで、出し抜けにあなたのもとを訪れる。ひとつ角を曲がると、自分が既にそこあることがあなたにはわかる。
でももう後戻りはできない。いったん角を曲がってしまえば、それがあなたにとっての、たったひとつの世界になってしまう。その世界ではあなたは「女のいない男たち」と呼ばれることになる。どこまでも冷ややかな複数形で。
「最愛の人を失った」という表現は些か言い過ぎのような気もするが、「予告もヒントも与えられ」ないまま、ある日突然現実を突き付けられ(多少は罵倒され)、そして気が付けば「女のいない男たち」になっていた。
…というわけで、この本はまさしく今の自分の境遇と合っている。合いすぎて怖いくらい。
また新しい恋でもしてみようかと思うけど、一方では、しばらくこのままでもいいかな、気楽だし、とも思う。
恋はかなりのエネルギーを要するからね。
面白かったけど、ちょっと胸が締め付けれた作品でもあった。
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