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【無料】基礎から分かる水産用語<152> カツオ節とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


カツオ節とは

 カツオの身をボイルし、いぶして乾燥させた日本伝統の保存食。一般的にカツオ節を削ったものが削り節と呼ばれる。日本鰹節協会はさまざまな工程を経て水分量を26%以下にしたものをカツオ節と定義している。

 同協会によると、段階によって呼び名が異なる。焙乾工程を経たものを荒節、荒節の表面を削って整形したものを裸節、それをカビ付けしたものを枯節、数回のカビ付け処理したものを本枯節と分類。節の形態からカツオが二分された節を亀節、四分された節を本節として、本節の中で背肉部から製造された節を雄節、腹肉部の節を雌節と称している。

 日本最古の書物とされる「古事記」で「煮堅魚」などと記述があり、これが起源ともいわれる。戦国時代には携帯しやすい兵食として広がり、「勝男武士」の語呂合わせから縁起の良い食材として定着。1600年代半ばごろから土佐国(高知県)で燻製法が考案されるなどして各地に広まったという。

 農水省水産加工統計調査によると、2022年のカツオ節の生産量は前年比3%減の2万4943トン。主産地は鹿児島県と静岡県。カツオ削り節は5%減の1万2671トン。12年のカツオ節の生産量は3万2265トンで10年間で約2割減少しており、同協会は食育活動などを通じて消費拡大を目指している。

みなと新聞本紙2023年10月3日付の記事を掲載