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【無料】基礎から分かる水産用語<140> 活締めとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


活締めとは

 刃物を使って魚を即死させ、血抜きもする魚の締め方全般のこと。魚は死ぬと死後硬直が始まるため、活締めにより死後硬直を遅らせ、鮮度を一定期間保つ。活締め処理を施す魚種としてブリやハモ、ヒラメ、スズキなどがある。

 新潟県のホームページによると、活締めの方法の一つとして「神経締め」がある。神経締めとは、魚の鮮度やおいしさを保つために、背骨付近を通る神経にワイヤなどを通し、神経を破壊する締め方のことを指す。神経締めの手法として、即殺▽放血▽神経抜き▽保冷-がある。神経締めにより、身の透明度や歯応えが増すという。

 魚の鮮度を見分ける際のポイントとして、東京・豊洲市場の卸筋は「エラの色変わりと血合いの色にある」と説明する。鮮度の良い魚は真っ赤なエラをしており、血の色もきれいな赤色という。その上で「活締めした魚の方が、野締めした魚よりも鮮度や品質が良く、見栄えも良い」と説明する。

 なお、「いけじめ」が正しい読み方であるが、「かつじめ」と読む場合もある。その理由について卸筋は「活魚(かつぎょ)を締めることから転じて『かつじめ』と言うようになったのではないか」と推測する。

 卸売市場では、産地などで氷水に入れて締めることを「野締め」ともいう。

みなと新聞本紙2023年8月22日付の記事を掲載