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【無料】基礎から分かる水産用語<175> SPAとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


SPAとは

 製品の企画から製造、販売まで一貫して行う垂直統合型のビジネスモデル。コスト低減やリードタイムの短縮、顧客ニーズを把握した商品開発などのメリットがある。製造小売業を指す。

 「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略称で、1986年に米・衣料品大手のGAPが始めたとされる。日本では「ユニクロ」のファーストリテイリングやニトリに代表される。

 調達や物流面も自社で行うため、結果的にコスト削減や商品供給までの期間を削減できる。顧客ニーズの変化にも迅速な対応がしやすく、差別化を図ることが可能だ。一方で製造者としての責任が発生し、在庫管理のリスクを負うため、サプライチェーン全体のマネジメントが重要になる。

 量販店ではSPA型商品はトップバリュ(イオングループ)やセブンプレミアム(セブン&アイ・ホールディングス)のプライベートブランドが一般的。「業務スーパー」の神戸物産、センター加工により自社商品の展開に力を入れる成城石井なども注目を集める。

 ヤオコーは自社工場製造商品ブランド「eat!YAOKO」で惣菜やベーカリーなどを展開する。2023年3月の組織改正でSPA推進部を設置し、製造小売業へのさらなる踏み込みを図るとしている。

みなと新聞本紙2023年12月26日付の記事を掲載