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【無料】基礎から分かる水産用語<206> 笹かまぼことは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


笹かまぼことは

 魚のすり身を笹(ささ)の葉形にかたどり焼いた、焼き抜きかまぼこの一種。宮城県を代表する名産品として知られる。表面はきれいなきつね色で、歯切れがよいのが特徴。

 明治時代に仙台湾でヒラメの豊漁が続き、その保存と活用のため仙台市内のかまぼこ屋がすり身にして手のひらでたたき、笹の葉形の焼きかまぼことして売り出したのが始まりといわれる。味の評価も高いことで当時から重宝されたという。明治や大正期は「ひら(手のひら)」など形状からさまざまな呼び名があったが昭和から笹かまぼこに統一されている。

 主原料はスケソウダラのすり身。キチジやヒラメ、タイなどのすり身を練り込んだり、食感や調味で独自色を出したり、チーズや牛タンなどの具材を入れたりするなど、各メーカーがさまざまな工夫を凝らす。

 宮城県内では仙台の他、石巻、塩釜、名取、女川など各地で生産されている。笹かまぼこはギフト向け以外にも定番品が県内ほとんどのスーパーに並び、日常的に食べるねり製品として県民に定着している。

 販促に向けて、宮城県蒲鉾組合連合会と紀文食品は2013年5月、7月7日を「笹かまの日」に制定した。日本記念日協会の認定を受けている。各社は記念日に合わせた限定品の販売やPRイベントの開催などで認知度向上に努めている。

みなと新聞本紙2024年5月28日付の記事を掲載