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【無料】基礎から分かる水産用語<190> 煮干しとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


煮干しとは

 小魚を塩水で煮た後に干して乾燥させて作る水産加工品。みそ汁をはじめ、うどんや鍋のスープなどのだしを取るための材料として主に使われている。イリコ、ジャコなどとも呼ばれ、原料はカタクチイワシやウルメイワシ、マイワシなど。トビウオ(アゴ)やキビナゴ、アジ、サバ、イカナゴ、タイ、エビ、ホタテなども原料になる。

 カタクチイワシの煮干しは、くの字に曲がり、光沢があり、腹割れもないものが良質といわれている。小羽・カエリ・チリメンサイズは、大羽や中羽サイズに比べて、苦みが抑えられており、苦みの原因となる頭・はらわたをあらかじめ除去して販売しているメーカーもある。

 近年はだし入りのみそや、スープのもとなど簡便調理品が広く流通し、煮干しを買って調理する機会が減少。これを受けて現在では、燻製やふりかけなど、ひと手間加えた付加価値のある煮干し商品を開発するメーカーが増えている。

 巻網などによるイワシ漁が盛んに行われている長崎県は煮干しの一大産地。長崎県漁連の煮干しの共販事業は2022年度、好調に推移した。原料である小羽やカエリサイズのカタクチイワシの水揚げが22年11月以降に上向いたことや、21年の盛漁期(6~7月)が不漁だった反動などから、共販額は前年度比67%増の27億3700万円だった。

みなと新聞本紙2024年3月5日付の記事を掲載