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【無料】基礎から分かる水産用語<154> 食育とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


食育とは

 さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる人間を育てること。食育基本法に定められる。農水省によると、料理や農林漁業体験、食事マナーの習得なども食育となる。同省は食育を生きる上での基本とし、知育・徳育・体育の基礎になるものと位置付ける。

 魚食普及活動や渚(なぎさ)泊での漁業体験など、食育は水産分野との親和性も高い。現在、魚介類を使った料理を作るイベントや伝統的な漁法の体験、学校への出張授業といった取り組みが進む。

 農水省は2021~25年度を期間とする「第4次食育推進基本計画」内で、食育に関心を持つ国民やゆっくりよくかんで食べる国民の割合などに目標値を掲げる。達成のため、同省は24年度概算要求として「食育活動の全国展開事業」と「消費・安全対策交付金のうち地域での食育の推進」の予算を要求した。

 同省は、同交付金を使った全国の食育の取り組み事例を紹介している。京都市は22年度、地元漁業者の指導のもとで小中学生がアマゴ稚魚の放流や伝統的漁法などを体験する食育に取り組んだ。

 「令和4年度 食育白書」では、家庭や学校・保育所、地域での食育の推進にも言及する。子ども以外にも、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸など成人を対象とする食育もある。

みなと新聞本紙2023年10月10日付の記事を掲載