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【無料】基礎から分かる水産用語<34> 配合飼料とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

配合飼料とは

 2種以上の原料を一定の割合で混ぜ合わせて作る家畜用の食物。養殖魚を育てる際、小魚や魚のミンチといった「生餌」に比べ、配合飼料は栄養バランスが良く、魚の成長の効率も良いという。

 「品質の安定や漁場環境への負荷の軽減、養殖の作業効率の向上などのため、生餌から配合飼料に転換が進められている」(農林水産省策定「養殖業成長産業化総合戦略」)。同戦略によると、年間需要量は50万~60万トンと推定される。

 主成分は魚粉で、ペルー産アンチョビー(カタクチイワシ)などが主に原料となる。日本養魚飼料協会加盟12社における養魚飼料の魚粉配合率はここ数年をみると、46%前後。その他はトウモロコシや大豆などの植物系原料などを使用する。

 混ぜる原料によって独自の工夫ができる。日本水産はブリの養殖で「配合飼料に唐辛子を混ぜる。色が良くなる上、余分な脂が抜け、脂ののりがちょうど良くなる」(同社中央研究所大分海洋研究センターの平田喜郎氏)。

 養殖ブランド魚は地域の名産品などを混ぜ込んだ配合飼料を使ったものが目立つ。鹿児島県・垂水市漁協のブランドカンパチ「海の桜勘(おうかん)」は焼酎粕(かす)と県産茶を加えたオリジナルな配合飼料で育てる。徳島魚市場(徳島市)らのブランドブリ「すだちぶり」はスダチを混ぜた配合飼料で養殖する。

みなと新聞本紙2022年7月15日付の記事を掲載