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【無料】基礎から分かる水産用語<157> サバとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


サバとは

 マサバやゴマサバなどスズキ目サバ科サバ属の総称。マサバは日本各地で漁獲できるが、ゴマサバは暖水を好むことから主に本州中部以南に分布する。ゴマサバは腹部に小さな黒い斑点が多くあり、マサバよりもやや丸みがあるのが特長。いずれも大群で回遊する。

 日本では、主に大中型巻網でサバを漁獲する。同巻網漁を操業する漁業者でつくる日本遠洋旋網漁協は、北部九州の沖合などを回遊するサバ類(マサバやゴマサバ)を漁獲。三陸沖や韓国の済州島沖も一大産地として知られている。水揚げされたサバは大型であれば鮮魚向けサイズ、小型であれば缶詰・餌向け(ローソク)サイズとして分類される。

 サバのブランド化も進んでおり、同組合は盛漁期(10月~翌2月)に長崎県の五島、対馬の海域で漁獲した1尾400グラム以上のマサバを「旬(とき)あじ」としてPR。塩サバフィレーや締めサバなどにして販売している。その他、石巻魚市場(宮城県)の「金華さば」、大分県漁協の「関さば」などが全国的に広く知られている。

 北部九州などでは刺身としての利用シーンも多いサバ。福岡ではしょうゆやみりん、いりごまをサバの刺身にあえた「胡麻さば」が博多名物になっている。青ネギやわさびがよく合い、旬であるこれからの時期は特においしく食べられる。

みなと新聞本紙2023年10月20日付の記事を掲載