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【無料】基礎から分かる水産用語<141> 食品衛生監視員とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


食品衛生監視員とは

 食品衛生法などの法令に基づき、食の安全安心のために食品衛生に関する指導を行う技術系公務員。主に全国の空港・港の検疫所で海外から輸入した食品の監視、検査などを担う国家公務員と、飲食店の営業許可や指導、食中毒発生時の調査、卸売市場での監視指導などを行う地方自治体の保健所に所属する地方公務員に分けられる。

 各地の卸売市場では食品衛生監視員が市場内を流通する食品の監視指導や検査を実施。違反・不良食品の有無を調べ、違反を確認した場合は改善指導などの措置を取る。

 名古屋市中央卸売市場本場にある市食品衛生検査所によると、本場での水産物対象の業務では、セリ開始前に卸売場で水産物が適切な温度で管理されているか、有毒魚の有無、仲卸店舗が機器資材を衛生的に取り扱っているかなどを点検する。

 抜き取り検査に当たる収去検査では、検査のために無償で食品等を徴収する権限が食品衛生監視員にある。養殖魚では動物用医薬品、天然魚では水銀やポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性物質が基準値や規制値を超えていないかなどを調べる。他にも、食品衛生の調査・研究、場内業者対象の衛生講習会の開催や情報提供も担う。

 同所は「法改正によるHACCPに沿った衛生管理の制度化に伴い、場内業者にはHACCPが浸透し衛生管理が徹底されている」としている。

みなと新聞本紙2023年8月25日付の記事を掲載