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【無料】基礎から分かる水産用語<228> オキナワモズクとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


オキナワモズクとは

 褐藻類モズク科の海藻。モズク酢(三杯酢や黒酢など)をはじめ、みそ汁の具材、酢の物といった日配品として量販店で広く流通している。藻付く(着く)や藻くずが語源として考えられており、「本モズク」や「太モズク」とも呼ばれる。

 オキナワモズクは、ミネラルを多く含み低カロリーであるため、健康食品として知られている。多糖の一種で水溶性食物繊維である「フコイダン」が豊富。ぬるぬるとしたこのフコイダンがオキナワモズク特有の食感になる。美容や血行促進、コレステロール低下作用などの効果も期待できる。

 国内ではそのほとんどが沖縄県で生産されている。養殖は県全域で盛んで特に勝連や八重山、知念、久米島などの地区が一大産地となっている。採取方法は潜水して吸引機を使うのが一般的。沖縄県もずく養殖業振興協議会(那覇市)は、県内養殖オキナワモズクの2025年漁期(24年12月~25年7月)生産目標を1万7000トンとして設定。24年漁期実績から1000トンほどの増加を目指している。

 生育場所は太陽光が届く沿岸の浅瀬。光合成の過程で炭素を吸収・固定化して、いわゆる「藻場」を形成する。地球温暖化対策として注目されるブルーカーボン生態系の一種であり、ブルーカーボンクレジット制度の対象にもなっている。

みなと新聞本紙2024年10月29日付の記事を掲載