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【無料】基礎から分かる水産用語<93> 2024年問題とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

2024年問題とは

 働き方改革関連法のうち、2024年4月1日に適用されるトラックドライバーや建設業における罰則付き時間外労働の上限規制で生じる課題のこと。運転業務では上限が年960時間になる。このことで企業と労働者の収入減が懸念され、人手不足にもつながりかねない。物流会社が収益減を運賃の値上げでカバーすれば、荷主への負担も発生する。

 全日本トラック協会は18年12月に「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」を策定。一貫したパレットを使う効率化や予約アプリでの待機時間削減など対応策を盛り込んだ。協会は19年から「時間外労働が960時間超となるドライバーの有無」を事業者に調査。21年10月は727者のうち、「いる」が27・1%、長距離ドライバーに限ると48・1%が「いる」と答えた。

 建設業の時間外労働は一般職と同じ年720時間まで。同規制は他の業種で20年までに施行されたが、建設業では対応に時間が必要として24年3月まで猶予になった。

 全日本漁港建設協会は昨年、規制に向け「4週8休は対応可能か」を調査。220事業者のうち「対応済み」が18%で、約半数は「国の方針に沿う」だった。7%の「難しい」とする理由は「気象や海象に左右される」が最多で、漁港建設業における工期設定の難しさが浮き彫りになった。

みなと新聞本紙2023年2月24日付の記事を掲載