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【無料】基礎から分かる水産用語<18> HACCP(ハサップ)とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

HACCP(ハサップ)とは

 食品の安全性を確保する衛生管理方法の一つ。ハサップと読む。HACCPでは完成した製品のみならず、原材料の受け入れから製品ができるまでの加熱や冷却、包装などの各工程に着目する。

 実施に当たり事業者はまず、食中毒の原因となる微生物や金属の混入など人の健康に悪い影響を与える「危害要因」を分析し、リストアップ。その上で、危害を防止するため特に重要な工程を継続的に監視・記録する。

 厚生労働省によると、HACCPは従来の抜き取り検査と比べ、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことができる。原因の追究も簡単になるという。

 日本は原則、すべての食品事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組む義務がある。HACCPの取り組みが必要な国・地域は日本以外にもあり、輸出先の規制に合った対応が必要なケースが出てくる。農水省は輸出環境整備推進事業(HACCP認定加速化支援事業)などを通じ、民間企業が輸出の阻害要因を乗り越える取り組みを支援している。

 なお、HACCPは略称。「Hazard Analysis and Critical Control Point」(危害要因分析重要管理点)から頭文字を取っている。1960年代に米国で宇宙食の安全性を高度に保証するために考案された。

みなと新聞本紙2022年5月20日付の記事を掲載