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(あとがき)短編小説「初恋のきみに花束を」

 先日、三回に渡り掲載した【短編小説】「初恋のきみに花束を」をご覧いただいた皆さま、ありがとうございました☺

 久しぶりの青春ものに、どきどき、どぎまぎしながら書き進めながらも、何とか彼らをひとつの場所で再会させることができ、ほっと一息、安心しております。

 今回、物語のテーマに「再会」と「花言葉」というワードを決め、物語や登場人物の名前に「花」にまつわるものをちりばめていました。

 今日はほんの少しですが、そんな物語の裏話を楽しんでいただけたらと思います🌸

【名前の由来】

 登場人物たちの名前は、花言葉のイメージと花の和名等から選びました。
 よかったら、探してみてくださいね♪

 〇大津 瑠那(主人公)
  誕生花:シラー、シラー・ぺルビアナ(誕生日:2月27日)
  花言葉:寂しさ、変わらぬ愛など。
  和名:大蔓穂(オオツルボ)

 〇竹石 玖蘭(くらん)
  誕生花:白いカーネーション(誕生日:6月15日)
  花言葉:純粋な愛、私の愛は生きていますなど。
  和名:和蘭石竹、麝香撫子
  (母親の石和撫子さんの名前も、こちらの和名から。)

 〇蒲沢 璋
  誕生花:花菖蒲(誕生日:5月4日)
  花言葉:うれしい知らせ、優しい心など。《英》友情。
  和名:文目、菖蒲(しょうぶ)

 〇唐瀬 和海(なごみ)
  誕生花:カラー(誕生日:10月31日)
  花言葉:華麗なる美
  和名:和蘭海芋

 〇貴谷 誠(担任教師)
  誕生花:君子蘭
  花言葉:誠実、情け深い、高貴など。
  和名:君子蘭

 〇端戸井中学校(おまけ)
  誕生花:ライラック
  花言葉:思い出、友情など
  和名:紫丁香花(はしどい)

 実は、この他にも二人、同級生メンバーを考えていて、
瑠那に片思いし続けていた姫貝広葉(ひろは)と、
後に璋と結婚するおっとりした女の子、毒島芹加という子がいました。

 作品全体で五千字ほどを目標にしていたので、二人は今回登場させていないのですが、また違う世界線で書くことがあったら、二人のことも描いてみたいなと思っています☺

【タイトルの意味】

 この物語は、「たった一時だけれど、一番多感で寂しい時間をともに過ごした彼らが、どこか思い出を思い出として消化できないままそれぞれの場所で成長し、再び集まることで未完になっていた時間を完結させる」といったものを表現したい、と思いながら書いていました。
 それを、花束で表せたらと。
 
(あ、でも、これは筆者の勝手なイメージなので、読んでくださった方々がそれぞれに色んな意味を想像してもらえたら、それが一番うれしいです☺✨)

 ちなみに、タイトルの「初恋のきみに花束を」というのは、主人公の言葉ではありません。

 それこそ、本当に裏設定なのですが、そもそもの始まりは、モデルとして芸能界入りした和海が、たまたま女優の石和撫子の活動に同行していた玖蘭を見かけ、声をかけたという経緯があります。
 実は、和海は中学卒業の際、東京へ戻ることを決めた瑠那とは喧嘩別れをして疎遠になっており、彼女に玖蘭を会わせるために璋に「同窓会」というきっかけを作ってもらいました。

 瑠那との約束を破ったことがずっと心残りだった玖蘭は、当時、瑠那が「花言葉」にはまっていたことを憶えていて、それを生花店の手伝いをしていた璋に相談し、それぞれの誕生花を彼女に贈ることにしました。

 隠れるように生きてきた玖蘭にとって、瑠那のキスは自分を認めるものであり、彼女は初恋の人でもありました。それぞれが気持ちを伝えることなく離れてしまったけれど、「きみを忘れていない」と花に託して伝えたかったのかもしれません。


🌸物語は、こちらから↓





  


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