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ミダス

夜を荒らした影の正体は
君が残した温もりの残滓
明けない夜があるならば
それを熱望する愚かな獣

飴色の空が君を連れていく
雨が降れば寒そうに擦り寄る
気怠げにするほど歪む口元
まるで悪魔みたいで愛しくて

寝顔を見るため吸う酸素
朝日と共に響く包丁の音
君が残していったのは
簡単に消えてしまうもの

雪解けにはきっとまだ早いよ

僕を嘘つきと呼ばないで
どこか遠くへ連れてって

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