💊【🏥調剤編】アレグラとタリオンの重複の疑義照会
※市販薬やドラッグストア等にも関係するので、"#薬剤師ミナトメモ"もつけてるぜ!
【概要】
とある日、皮膚科でアレグラを現在進行形で飲んでいる患者さんが、今回花粉症の症状で別病院からタリオンが処方されていた。
アレグラとタリオンは同じピペリジン系で、系統がかぶる。
タリオンはTmaxは短い(即効性はある)が、T1/2も短い(効果が短い)から抗ヒスタミン作用を安定させるという意味でアレグラも使うのはアリといえばアリだが、重複感が強くならない??俺は渡したくないと思った。
つまり、構造が近い抗ヒスタミン薬を医師が併用させることにモヤモヤした。もちろん、それも一手であり、私は違和感を覚えない、同系統で組み合わせることもある!と言われたらそれまでだが…。(※医師が意図的にアレグラ+タリオンをやりたいとは感じられない、骨格違うからワンチャン効く…と自分に言い聞かることもできない、つまり納得させる要因なかったということ)。
薬剤師は疑義照会ができない状況で、エビデンス的には薄いとわかっているものの、処方の妥当性を無理くりつけて、処方通りにそのまま調剤することってって実はよくあると思うんですよね…。今回は俺はそれすらもできなかったという話。
患者さんに直接話を聞いても、医師もアレグラを飲んでいることを把握してない可能性が高いと感じた。
皮膚科含めてどちらのクリニックも閉まっており、疑義照会ができず、明日は祝日だったので最短月曜日に…。
投薬できず、患者さんに申し訳ないことをした。
Q、タリオンとアレグラぐらいなら併用可能では?
A、確かにアレグラ等は安全域が高いから倍量飲もうが、併用しようが副作用の可能性は低い。しかし、タリオンを処方した医師がアレグラの存在を知らない可能性があることが問題だ。 疑義照会は異議だけじゃない。疑義は情報を伝えて、処方が変わらないかの確認もする。
よって、患者に直接確認した上でH1ブロッカーを併用してることを医師が知らない可能性を考慮して疑義照会はするべきである。
その理由をまとめる。
●薬効が重なり、効果のメリットより副作用のデメリットが上回る可能性がある
●使う必要のない医薬品が無駄に使われるので医療費の無駄になる
●同種同効薬の重複処方として保険請求の際に査定を受けるおそれがある
よって、臨床では骨格に関わらず基本併用しない。
【もしもOTCだったら】
もしもOTCのアレグラFXを飲んでいた場合、アレグラFX中止で処方箋医薬品の方のタリオンを飲んでくださいって言うだけである。アレグラを飲んでも花粉症発症してるしね。
ただ、俺が花粉症でOTCをオススメする場合ならステロイド単剤の点鼻薬であるフルナーゼを選んでるかな。効果の高さと副作用の少なさを考えるとステロイド単剤の点鼻薬は花粉症の第一選択薬である。
例えば、アレグラなどの第二世代抗ヒスタミン薬(飲み薬)にプラスとしてフルナーゼ(点鼻薬)を販売したり、フルナーゼだけの単独販売をすることができる。もちろん、登録販売者なら一類のフルナーゼは販売できないので、指定二類のステロイド単剤の点鼻薬でOK!
第二世代抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬との併用について↓
ただ、指定二類のべクロメタゾンより一類フルナーゼのフルチカゾンの方が鼻症状に対して優れた有効性があるとの報告もある。更に添付文書比較からわかるように年齢制限、使用期間制限、投与禁忌などから考えても薬剤師ならフルナーゼを選択するように思う(俺の意見では)。
【話を戻す&結果報告】
皮膚が悪化すればビラノアやアレロックとかになるし、花粉症にはステロイド点鼻薬がある。俺はタリオン削除の疑義をしたかったというわけである。
.……
そして、月曜日、無事タリオン削除となりました。
医師はアレグラの件を全く把握しておらず、予想通り意図的にアレグラ+タリオンをやりたかったわけではないようだった。
抗ヒスタミン薬の重複をせず、花粉症はステロイドの点鼻薬でしばらく様子を見ることになりました(これも予想通り)。
患者さんも安心され、医師にも情報提供完了。
つかさ、、
アレグラ、タリオンの件は花粉症で既にアレグラを飲んでるから、患者は待ちます!って納得したんだよなぁ…
これ疑義照会できない急性の症状の抗生物質とかだったらどうなってたんだよ… 薬剤師の権限増やしてくれっていうのが俺の結論です(笑)
以上。
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