💊何故、NSAIDsが喘息を誘発して、ステロイドが喘息の治療に使われるのか?【ちょっと難しめ】
まずはNSAIDs(赤色と緑色)。
イブプロフェンやロキソニンなどのNSAIDsはシクロオキシゲナーゼを阻害して最終的に抗炎症作用を示す。
しかし、シクロオキシゲナーゼを阻害するとアラキドン酸はプロスタグランジンへ行くルートがなくなるため、仕方なくリポキシゲナーゼによるロイコトリエンが増えるルートにいってしまう。
ロイコトリエンは気管支を収縮させる作用があるため、ロイコトリエンが増えたら当然、喘息誘発につながる。
次はステロイド(青色)。
ステロイドは体内に存在しているタンパク質(リポコルチン)の合成を誘導する。リポコルチンはタンパク質の合成量を調整しており、ホスホリパーゼA2にブレーキをかける。ステロイドの投与により、ますますブレーキがかかり、ホスホリパーゼA2の量が減る。
ホスホリパーゼA2の量が減るということはアラキドンの量が減る。
つまりプロスタグランジンとロイコトリエンの量が、どちらも減るということだ。
だから抗炎症作用がありながらも、ロイコトリエンの量も減ってるから、NSAIDsとは違って喘息の治療に使われるんだぜ。
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