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僕の小規模な退職 その113

オンとオフ。
仕事の時とプライベートの時。
そういう意味でのオンとオフ。
オンとオフで人格が変わったかのような人がいる。

仕事の時は黙々と行う。
笑顔もよそゆき。
一定の距離感を保ち余計な言動に気をつける。
ATフィールド全開。
パーソナルゾーンを広く取って警戒態勢。

プライベートでは楽しくはしゃぐ。
思い切り笑う。絶えない笑顔。
くだらない事を連発。
しょうもないことにも反応。
喜びの舞。
仕事の時には見せない表情。

そういう人がいる。
オンとオフで別人格。
自分もその1人でした。

わかりやすくオンとオフでメガネを変えていた。
プライベート用のメガネは会社にかけていかない。
間違えて掛けてしまった月曜の朝なんかはメガネを掛け替えるために家に引き返すほど。
別にオシャレなメガネをしているわけじゃない。
「メガネ変えた?イメチェン?」
とか言われるのが煩わしかったからだ。

家用のメガネは掛けていて楽なものを使っていた。
多少乱暴に扱っても壊れなそうなタイプ。
掛けたまま横になっても。
寝てしまっても。
全然壊れなそうなやつ。
壊れても気づかなそうなやつ。
フレームが太い。
枠がしっかり。
ザ・メガネ。みたいなやつ。

会社用のはフレームが目立たないタイプ。
メガネが顔の印象を崩さないようなやつ。
メガネが強調されないやつ。
掛けてんだか、掛けてないんだか、いや掛けてるか。
みたいなやつ。
つまりメガネが主張してこないタイプ。
ずっとそういうタイプのものを選んでいた。
買い替える時もわざわざ似たようなやつを選ぶ。
印象が変わらないようにするためだ。

「オン(仕事)の時はこういうのじゃないと仕事モードにならないから。」
そんな風に装っていた。
ウソだ。
そんなメガネだけで仕事モードになんかならない。
ただただ「メガネ変えた?」と言われるのが煩わしいと思っていたからだ。
自分にウソをついていたんだ。
ほんと面倒くさい。

オンとオフの切り替えとか。
オンとオフで別の人格とか。
ほんと面倒くさい。

わざわざそんなことしなくても良いようになりたい。
常に自分らしく。
ありのままの自分の状態で過ごしていたい。

退職してからというものの。
会社用メガネは一度もかけていない。
もう何ヶ月もメガネケースに入れたまま。

メガネには罪は無いのに。
掛けてあげなくてごめんね。

だけどきっと。
また会社員になったら。
会社と家でメガネを分けてしまうんだろうか。
そんなのヤダなぁ。

44歳。無職。オンとオフのメガネ。

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